レスリング五輪存続へ 日本トルコまさかの共闘

2013年02月18日 11時00分

 レスリングが2020年五輪の中核競技から外れ除外危機にあるなか、世界各国で「存続運動」の広がりが勢いを増している。世界中のレスリングOBの有名人が救済に名乗りを上げる一方、日本にとっては東京が20年五輪招致を争う強力な「ライバル国」も存続運動に名乗りを上げ、まさかの共闘ムード。5月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会、9月の同総会での“ミラクル存続”へ、なりふり構わぬ姿勢だ。

 

 

 世界中に「SAVE WRESTLING」の動きが広まっている。本紙昨報の通り、日本では吉田沙保里(30=ALSOK)、米満達弘(26=自衛隊)ら現役レスラーが声を上げ、永田裕志(44=新日本プロレス)らレスリングOBのプロレスラーも同調した。世界でも、唯一の五輪金メダルプロレスラー、カート・アングル(44=米TNA)らがツイッターなどで存続を呼びかけ、ロシアからは“霊長類最強”アレクサンダー・カレリン氏(45)が伝統競技の危機に立ち上がった。


 レスリングの存続は、20年東京五輪招致にも大きく影響する。昨夏のロンドン五輪では獲得した金メダル6個のうち、4個がレスリング。招致が成功してもレスリングが除外されれば、金メダル数にかかわり、大会そのものの盛り上がりに欠ける可能性もある。


 現状では存続への見通しは厳しいが、東京五輪招致を成功させるためにも「お家芸」の消滅は避けたいところ。一方で、日本とライバル関係にありながら同じ悩みを抱え、存続活動に動き出す国があるという。それはトルコだ。


 トルコのイスタンブールも20年五輪招致に立候補。イスラム圏初の五輪という強力な大義を強みに「最有力候補」との声が上がる。トルコではレスリングが「国技」。過去の五輪では金メダル28個、銀16個、銅14個を量産してきた。国民に最も人気のあるスポーツで、大会を開けば必ず満員になるという。


 そんなお国柄だけに、トルコレスリング連盟のハムザ・イエリカヤ会長(36)は現地メディアに対して「(決定は)見直されるべき。20年五輪にレスリングなしでは考えられない」と悲痛な叫び。トルコのレスリング事情をよく知る関係者はこう説明する。


「国技のレスリングがなければ、トルコにとっての五輪は、まさにみそ汁のない日本食のようなもの。国を挙げて存続へ活動するのは間違いない」


このため、東京が招致を目指す日本とはレスリング存続で一致。まさかの「共闘」もあり得る気配なのだ。


 五輪招致で激しく争うライバル同士が手を取り合ってレスリング存続に動くとは皮肉な話ではあるが、それだけなりふり構っていられない証し。 IOC理事会の除外決定については、わずか15人のIOC理事の“仕業”だけに、他のIOC理事から不満の声が上がり始めている。


 16日からタイ・プーケットで行われる国際レスリング連盟の理事会に参加する同連盟副会長の日本レスリング協会・福田富昭会長(71)は「IOC委員へも積極的にロビー活動を行って理解を求めたい。5月のIOC理事会で行われるプレゼンテーションで、どうやってレスリングの魅力をアピールするか。いろいろな案を練りたい」と意欲を語った。果たして五輪史に残る「ミラクル」を起こせるのか。