日本レスリング協会は20日、都内で臨時理事会を開き、五輪4連覇の伊調馨(33=ALSOK)らに対するパワーハラスメントが認定された栄和人前強化委員長(57)の処分について協議し、同氏を常務理事から解任する方針を固めた。

 日本協会の規定にのっとって、倫理委員会に諮り、6月23日の評議員会で決議する手続きを取る。規定では理事の処分は解任しか設けていない。この日、栄氏は臨時理事会を欠席した。

 また、内閣府から31日を期限に出されている「報告要求」に対し、再発防止案などをまとめた。内閣府からは伊調らトップ選手の練習環境の整備や支援、代表選考の透明化、パワハラの再発防止に向けた取り組みなどの報告を求められている。内閣府への提出前ということで詳細は明かされなかったが、代表選考におけるプレーオフ案導入などが盛り込まれている。

 レスリング関係者が1月に内閣府に提出した告発状で触れられている金銭問題については、第三者の弁護士と公認会計士に依頼し、調査することになった。