大坂なおみ 世界に衝撃与えたツアー初V!4大大会、東京五輪金見えた

2018年03月20日 11時00分

控えめなガッツポーズの大坂。新時代の女王が誕生した(ロイター=USA TODAY Sports)

【カリフォルニア州インディアンウェルズ18日(日本時間19日)発】テニス界に新たな歴史が刻まれた。世界ランキング44位の大坂なおみ(20=日清食品)がBNPパリバ・オープンの女子シングルス決勝で同19位のダリア・カサキナ(20=ロシア)を6―3、6―2で下し、ツアー大会を初制覇した。日本女子のツアー優勝は通算11人目。4大大会に次ぐ格付けの「プレミア・マンダトリー」大会優勝は日本初の快挙となった。世界ランク1位経験者を次々と撃破し、世界に与えた衝撃は絶大。4大大会制覇だけでなく、2年後の東京五輪の金メダルも現実味を帯びてきた。

 第2セットの第8ゲーム、40―15とチャンピオンシップポイントを2つつかんだ大坂の厳しい攻めに、カサキナはロビングで返すのが精一杯だった。大きく浮いたボールを大坂はバックハンドボレー。「イン」のコールの直後はガッツポーズもなく、初優勝が決まった選手とは思えないほど淡々とネットに歩み寄り、カサキナと握手して健闘をたたえ合った。

 その後、行われた表彰式での優勝スピーチ。関係者やコーチ陣に感謝の言葉を述べたが、緊張のあまり、カサキナへの称賛の言葉を忘れてしまった。思い出したかのように「彼女は素晴らしい選手よ。これからもよろしくね」と付け加えると、カサキナは苦笑い。「これは史上最悪のチャンピオンスピーチね。また来年会いましょう」と自虐的に締めると、会場からは笑いと拍手が沸き起こった。

 ドタバタ続きだった優勝スピーチとは対照的に、プレーには女王の風格が漂っていた。第1セット第1ゲームでいきなりブレークされたが、第2ゲームですぐにブレークバック。そこから強打と抜群のフットワークでカサキナを圧倒した。第8ゲームで40―15から得意のバックハンドからダウンザラインを決めてブレークに成功。第9ゲームもキープして6―3で奪った。

 第2セットも大坂の流れは続き、第1ゲームでいきなりブレーク。第5ゲームでも強烈なフォアを決めてブレークし、1時間11分の熱戦でカサキナに反撃を許さなかった。

 今大会は1回戦で元世界ランク1位のマリア・シャラポワ(30=ロシア)を破り、2回戦では元世界2位のアグニエシュカ・ラドワンスカ(29=ポーランド)も撃破。準々決勝でも元世界1位のカロリナ・プリスコバ(25=チェコ)に勝ち、準決勝では現世界1位のシモナ・ハレプ(26=ルーマニア)を破る大金星を挙げた。ノーシードで挑んだが、堂々たる戦いぶり。すでに世界では新星誕生が大々的に報じられており、名実ともにトップ選手の仲間入りを果たした。

 昨年末から新たなコーチとして招聘したサーシャ・バイン氏(33=ドイツ)の存在も大きかった。かつてセリーナ・ウィリアムズ(36=米国)やビクトリア・アザレンカ(28=ベラルーシ)のヒッティングパートナーを務め、キャロライン・ウォズニアッキ(27=デンマーク)のアシスタントコーチ。元世界1位選手たちのメンタル面や戦略などを教え込まれた。イライラしがちな部分も解消。今大会は勝っても大喜びしないで、相手を敬う姿勢を見せてきた。この日の勝利直後の振る舞いがそれを示していた。

 新たな歴史の扉を開いた大坂はこの優勝で世界ランクも22位に上がることが確定。手にした優勝賞金は134万860ドル(約1億4750万円)。1大会でこれまでのツアー賞金総額以上を稼いだ。5月の全仏オープンでグランドスラム初制覇の期待もかかる。2年後の東京五輪の頂点も視界にとらえた新ヒロイン。夢は限りなく広がっている。

☆おおさか・なおみ=1997年10月16日、大阪市生まれ。3歳時に米国フロリダ州に移住した。13年に15歳でプロ転向。16年に4大大会デビューの全豪オープンで3回戦進出など躍進し、女子ツアーを統括するWTAの最優秀新人賞に輝いた。今年の全豪で4大大会初の16強。強烈なサーブとフォアが武器。ハイチ出身の父と日本人の母を持ち、姉のまりもテニス選手。180センチ、69キロ。

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