男子テニスの世界ランキング5位・錦織圭(27=日清食品)に5月の全仏オープン制覇に向けた“援護射撃”が放たれた。

 国別対抗戦デビスカップ・ワールドグループ1回戦の日本対フランス(3~5日、東京・有明コロシアム)に先立ち、1日、日本テニス協会とフランステニス連盟(FFT)による相互協力の覚書が締結された。全仏ジュニアワイルドカード選手権の日本開催に協力する代わりに、代表選手がフランスのナショナルトレーニングセンター(NTC)を使用できるというもので、双方の思惑が一致したという。

 FFTは全仏会場のローランギャロスを含め、NTCなど4か所を管轄。食事や宿泊施設も備えている。覚書により、錦織らはこれらを優先的に使えることになった。

「使う期間、季節に関しては全く縛りがないと思っている。4月いっぱい欧州にいて全仏まで3週間空くとしたら、日本に帰らないでフランスに残ってNTCで練習するのは構わない。いつでもドアはオープンです」(FFT幹部)

 錦織の拠点、米フロリダ州は日本よりフランスに近いとはいえ、移動は大きなネック。また、クレー(赤土)の質も異なる。テニス大国のフランスに“別邸”を構えることができれば、確かに大きな利点だ。

 だが、一方で実効性を疑問視する声も上がっている。

「全仏はフランス人だけでも予選とか考えたら25人くらいいる。女子やジュニアもってなったら100人くらいになっちゃう。難しいんじゃないの?」(関係者)

 試合直前に自国選手の練習を優先するのは当然のこと。いくら錦織とはいえ、VIP待遇で迎えられるかどうか。今後の展開が注目されそうだ。