【ATPツアー・ファイナル】ジョコに完敗の錦織 来季トップ3への突破口

2016年11月21日 16時30分

 これが限界なのか? 男子テニスの世界ランキング5位・錦織圭(26=日清食品)はATPツアー・ファイナル準決勝(19日)で同2位ノバク・ジョコビッチ(29=セルビア)に1―6、1―6のストレートで惨敗し、初の決勝進出を逃した。今季最終戦をまさかの3連敗で終えたが、自己最高の通算58勝を挙げるなど収穫の多い1年でもあった。来季への課題は何なのか。GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(45)が緊急提言だ。

 

 ジョコビッチ戦はサービスゲームを一度しかキープできない一方的な内容で敗戦。ラウンドロビン(1次リーグ)からの3連敗に錦織は「生き返るには時間が必要」とショックを隠さず、仕切り直しを口にした。

 

 ツアー1勝に終わった今季については「多くのトップ選手を倒し、多くの自信を手に入れた。目指していた結果ではなかったけど、いい1年だった」と総括し、目標とする世界3位が遠くないことを訴えた。佐藤氏も「フォアハンドの威力が年々、上がってきた。戦略的にもサーブ&ボレーが増え、ネットプレーが新たな代名詞になりつつある」と話し、ストロークが持ち味の錦織に新たな武器が加わったと感じている。

 

 一方で、佐藤氏は来季への課題も指摘した。「フィジカルと精神力の持続」はもちろんのこと、特に強調したのはこの2点だ。まずは最大の弱点とされるサービス。「平均的にスピードと変化の底上げが必要だと思う。ファーストでもセカンドでもフリーポイント(サービスだけで決まるポイント)を狙うような強化ですね」。厳しい指導で知られるマイケル・チャン・コーチ(44)だが、サービスは決して得意な選手ではなかった。

 

「マイケル・チャンは晩年、ラケットを長くしたり努力してサーブが良くなった。ただ、そこに注視したおかげで他(の技術)が良くなくなり(他の選手から)『勝率が上がった』と言われたんです。サーブ専門のコーチは現実的には少ないが、新しい風を入れてもいい」と専門コーチを陣営に加えることも選択肢の一つだという。

 

 2つ目のポイントは試合数の削減だ。テニスの大会はグランドスラムを頂点にマスターズ、ATP500、250と格付けがある。世界1位のアンディ・マリー(29=英国)やジョコビッチはグランドスラムとマスターズに集中する日程を組んでいるのに対し、錦織は今季500に5大会、250に2大会出場した。これは、見直しが必要という。

 

「錦織選手もジョコビッチやマリーみたいに『250なんて出ないよ』っていう実力になりつつある。(今季)500は試合数が多い。250もこだわらなくていい」。錦織は世界の強豪たちに比べれば体力面で劣り、故障もしがちだ。しかし、今季はデビスカップを除くと20大会に出場し、マリーの17、ジョコビッチの16より多い。その結果、マスターズ初制覇も逃した。

 

 トップ3に入る期待を何度も抱かせながら、分厚い壁にハネ返された錦織。新たな変化を検討する時かもしれない。

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