男子テニスの楽天ジャパン・オープン(10月3日開幕、東京・有明テニスの森公園)で世界ランキング5位・錦織圭(26=日清食品)の難敵が続々と出場を回避し、波紋が広がっている。

 錦織が過去全敗の同64位フアンマルティン・デルポトロ(28=アルゼンチン)に続き、29日に前年覇者の同3位スタン・バブリンカ(31=スイス)の負傷欠場が決定。3強の構図は崩れて、第1シードになった錦織は「デルポトロがいないのはちょっと助かりましたけど、タフな大会には変わりない。決勝まで先を見て戦うことが難しい」と気を引き締めたものの、自然と笑みがこぼれた。

 強敵不在は大会の魅力向上という意味では手放しでは喜べない。しかし、星取りには慎重な大会関係者からも「極端な話をすれば、もういただきでしょ。デビスカップもシングルスは出てないし、体調もいい。いいコンディションで臨んで第1シードでいくわけだから、楽観視というよりも、順当勝ちしてもらわなきゃ困るっていうことになる」との声が飛び出すなど、3度目の優勝ムードはがぜん強まった。