【ブラジル・リオデジャネイロ14日(日本時間15日)発】テニスの男子シングルス3位決定戦で、世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)が同5位のラファエル・ナダル(30=スペイン)を6―2、6―7(1―7)、6―3のフルセットで破り、銅メダルに輝いた。日本勢のメダル獲得は1920年アントワープ五輪男子シングルスの熊谷一弥、同ダブルスの熊谷、柏尾誠一郎組の銀メダル以来、96年ぶりの快挙となった。

 第1セット、錦織は第1サーブが入らず苦しんだものの、リターンが好調。第5、第7ゲームをブレークし、完全に試合のペースを握る。第2セットも第3、第7ゲームでナダルのサービスゲームを撃破し、勢いは止まらない。

 このまま圧勝するかに思えたが、ここから五輪の重圧に襲われる。この日初めてのダブルフォールトで第8、第10ゲームで連続ブレークを許す。タイブレークも7―1と圧倒され、試合を振り出しに戻された。

 流れはナダルで迎えたファイナルセット。それでも、錦織の気持ちは切れなかった。

 第3ゲームをラブゲームでキープすると、続くゲームをブレークし、1つ、リードする。第7ゲーム、15―30とされるピンチも、抜群のフットワークでしのぎ、追撃を阻止する。そして、第9ゲーム、錦織はエースで40―15とすると、最後はボディーへのサーブで粘りの勝利。植田実監督(59)らチームのもとに駆け寄った錦織は日の丸を掲げ、歓喜に酔いしれた。