【全豪OP】3回戦進出も錦織に“ナダル化”の不安

2016年01月21日 16時00分

【オーストラリア・メルボルン20日発】テニスの全豪オープン3日目、男子シングルス2回戦で世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)は、同103位オースティン・クライチェク(25=米国)を6―3、7―6(7―5)、6―3で破り、6年連続で3回戦に進出した。全豪で1、2回戦をストレートで連勝したのは初めてで過去最高の立ち上がりを決めたが、上位との対戦はこれからで楽観はできない。錦織に垣間見える“ナダル化”の不安とは――。

 

 第2セットこそ第1サーブが決まらず苦戦したものの、残るセットは完璧だった。「なるべく早くギアを上げて最初から100%のプレーをしようとは心掛けている。この感覚を忘れずにやりたい」。もともと出足の遅い錦織が“スロースターター”返上を示唆するほど、充実の内容だった。

 

 ただ、世界ランクを考えれば妥当なところ。クライチェクは米IMGアカデミー時代の旧友で、互いに知り尽くしている。しかし、ストロークの精度は粗く、第2セットも錦織が“自滅”した感が強かった。5―4で迎えた第10ゲームはダブルフォールトによりブレークを許し、タイブレークに持ち込まれた。この結果で、錦織が「復活した」と結論づけるのは早計だろう。

 

 錦織を知る関係者は昨年の低迷期を振り返り、錦織のプレーぶりもさることながら「ちょっとおとなしくなった。今は自分から相手を威圧していく勢いが必要」と指摘する。頭によぎるのは、世界ランク5位ラファエル・ナダル(29=スペイン)の姿だという。全仏オープン9度の優勝を誇る“赤土の王者”は昨年、11年ぶりにグランドスラムのタイトルを逃した。今大会も1回戦で敗退し、苦境から抜け出せずにいる。

 

「ナダルだって一時期、強い時はコートに入って来た時からガーッと走って行ったり、全体を圧倒するようなイメージを持ってたんだけど、ちょっと不足してきた」(同関係者)。そのイメージが錦織とダブるというわけだ。

 

 ナダルはプレースタイル自体もベースライン上に変えようとするなど、もがき、試行錯誤を続けている。錦織はそこまで“重症”ではないとはいえ、下位を凌駕する一時期の貫禄は薄れている。3回戦の相手は過去2戦2勝の同27位ギリェルモ・ガルシアロペス(32=スペイン)。「この2週間に対し、とても前向きな気持ちでいる」と話した錦織だが、真価が問われるのはまだ先だ。

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