7日から都内の病院に緊急入院していた男子テニス世界ランキング8位の錦織圭(25=日清食品)が9日、退院した。一部朝刊紙の報道で発覚し、日本テニス協会にも問い合わせが相次いだが、マネジメント会社は過労のために大事をとっただけと強調。すでに回復に向かっているという。

 英国・ロンドンで行われたツアー・ファイナルで今季全日程を終了した錦織は、11月下旬に帰国。その後もイベント出演や4日まで神戸で行われた男女混合のチーム対抗戦「インターナショナル・プレミア・リーグ」に出場するなど多忙を極めた。同大会後に発熱し、食事も戻す症状にも見舞われたため、病院で診察を受け入院。今後は当初の予定通り、拠点の米国に戻って12、13日のマリア・シャラポワ(28=ロシア)とのエキシビションマッチ(ロサンゼルス)に参加する。

 今月中旬から2週間にわたる強化合宿も消化できる見込みで、来年1月3日開幕のブリスベン国際(オーストラリア)からの始動予定にも変更はない。新シーズンに影響が及ばないことで関係者も安心といったところだが、ここまで錦織を追い込んでしまったことについて広告代理店関係者は「仕方ないこととはいえ、少し考えないといけない」と指摘している。

 世界を転戦する錦織にとって、オフは11月下旬~12月上旬のわずか1か月。日本滞在はその期間しかないということで、スポンサーのイベントが重なるのは無理もない。だが、休養期間は確実に短くなるのも確かで、本業に影響が出るとなれば本末転倒。トップ選手の宿命とはいえ、錦織だけでなく、支援する側にも今後の課題ができたといえそうだ。