【フランス・パリ4日発】男子テニスのマスターズ・パリ大会シングルス2回戦で、第6シードで世界ランキング7位の錦織圭(25=日清食品)は同32位ジェレミー・シャルディー(28=フランス)を7―6(7―4)、6―7(6―8)、6―1のフルセットで破り5日の3回戦に進出した。

 スランプから脱したとは言いがたい、不安定な戦いだった。特に第2セットは苦しめられた。第6ゲームは40―0から追いつかれ、6度のブレークチャンスをものにできない。6―5で迎えた第12ゲームではダブルマッチポイントを逃し、ブレークに失敗。要所でボールを相手の強打が光ったフォアに集め、タイブレークで競り負けた。

 10月下旬のスイス室内を右肩痛で欠場。復帰戦勝利に「最後は特によかった。セカンドを取られてそれでも耐えてファイナルは集中できたので、力強く終わったと思います」と胸を張ったが、内容には納得していない。「厳しい試合だった」。球足の遅いコートでラリー戦でも強力なアドバンテージを握ることができず、僅差の印象は拭えなかった。

 この大会の結果が、ATPツアー・ファイナル(15日開幕、ロンドン)の行方も占う。「この大会は昨年ベスト4に入ったし、楽しんでやりたい」と意気込むが、3回戦の相手は同9位のリシャール・ガスケ(29=フランス)。過去5戦全敗の苦手と激突する。ただ、錦織がブレークのきっかけをつかんだ昨年の全米オープン準優勝後に対戦経験はなく、成長度を測るバロメーターになりそうだ。