オーストラリアから国外退去となったテニス男子世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)について、同じセルビア人で元女子テニス選手のボヤナ・ヨバノフスキが、北大西洋条約機構(NATO)の空爆に例え、オーストラリアの対応を批判した。

 ヨバノフスキは「ノールへ」とジョコビッチに対する手紙をSNSで公開した。「私たちは、少なくとも幼少期に、さまざまな不正を経験してきた。私たちの街の民間施設に世界の大国から爆弾が投げ込まれ、若い仲間や友人が殺された。今、世界の権力者たちは、『フェアでスポーティーな方法では、誰もあなたを倒すことはできないから、あきらめるように』と圧力をかけています」と、1999年、コソボ紛争によりNATOが首都ベオグラードを空爆した過去にたとえ、ジョコビッチに対するオーストラリア側の対応を批判した。

 さらに「過去にも、同胞であるモニカ・セレシュが世界一になった時期に、背中を刺されたことがあります。しかし、少なくとも私たちは不正には慣れている。あなたに対するこの屈辱的な結果がどうであれ、あなたは一人ではありません、あなたは私たちの偉大な誇りです」とエールを送るなど、長文で思いを伝えた。

 セルビアでは英雄に対するオーストラリアの対応に批判が高まっており、波紋を広げている。