ジョコビッチ入国拒否問題に母国セルビア政府が介入! 豪州国内の政治闘争が影響の声も

2022年01月07日 04時45分

セルビア代表として東京五輪に出場したジョコビッチ(東スポWeb)
セルビア代表として東京五輪に出場したジョコビッチ(東スポWeb)

 テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(34)を巡る騒動が波紋を広げている。4連覇がかかる全豪オープン(17日開幕、メルボルン)に出場するためオーストラリアに到着したが、同国が入国を拒否。この措置に同選手の母国セルビアが反発を強めている。過去の紛争や政治闘争が絡み、国際問題に発展しそうな雲行きだ。

 ジョコビッチはオーストラリア入国時に義務付けられている新型コロナウイルスのワクチン接種の免除を要望したが、メルボルンの空港で国境警備隊に書類の不備を指摘されて入国を拒否された。オーストラリアのスコット・モリソン首相は「規則は規則だ。一切の特別扱いはない」と強硬姿勢を見せた。

 これに対してジョコビッチ側は、弁護団が強制送還の差し止めを求める訴えを裁判所に起こして大騒動に。さらに母国セルビアのブチッチ大統領がインスタグラムで「セルビア当局は可能な限り、世界最高のテニス選手への嫌がらせを止めるためにあらゆる措置を講じる。ジョコビッチのために戦う」と表明。政府が介入してオーストラリア側と〝全面対決〟する方針を表明した。

 火種はスポーツの枠を超え、外交問題の様相を呈している。セルビア紙「ポリティカ」は、マルコ・ジュリッチ駐米大使の主張を報道。「ノバクがセルビア人でなかったら、こんなことが起きたとは思えない。集団的な憎悪とヒステリーが国際社会の一部に存在する。残念ながら、われわれの国や国民に対していくつかの否定的な感情がある」と訴えた。

 続けて「この問題はおそらく過去の時代も影響している。90年代に国際社会がネガティブな方法でセルビアの人々の運命に影を落とした」と持論を展開。90年代のセルビアと言えば、旧ユーゴスラビア紛争の真っただ中。コソボ紛争はいまだに解決しておらず、こうしたセルビアの歴史に対する〝負のイメージ〟が今回の騒動の根底にあると主張している。

 また、セルビア国営放送「RTS」によると、メルボルン在住のテニス指導者のゴラン・ブバンジ氏は「誰かがノバクを利用して〝政治的ポイント〟を集めていたことは明らかだ。23人もの選手がワクチン接種の免除を受けているのに、彼だけが認められていない」と指摘した。

 全豪オープン開催地のビクトリア州政府は当初、ジョコビッチの接種免除を許可していた。一方で、オーストラリアではモリソン首相とビクトリア州のアンドリュース首相の不仲が知られており、総選挙が迫っていることから政治闘争が絡んでいるとの見方も広がっている。

 さらに、セルビア紙「ブリック」は「ノバクのいるホテルの周囲がカオスだ! 暴動が起き、警察による逮捕! 逮捕!」とジョコビッチの支持者と警察との間で衝突が起きた様子も報じている。このまま両国の対立が深刻化すれば、大きな国際問題に発展する可能性もありそうだ。

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