【カリフォルニア州インディアンウェルズ16日(日本時間17日)発】テニスのBNPパリバ・オープンの男子シングルス3回戦、世界ランキング5位の錦織圭(25=日清食品)は同31位のフェルナンド・ベルダスコ(31=スペイン)と対戦。6―7、6―1、6―4で逆転勝ちし、4回戦進出を果たした。フルセットの激戦となったが、過去未勝利の苦手な相手に加え、不得手なコートを克服しての勝利だけにこの1勝の重みは大きい。悲願のマスターズ大会初優勝へ視界良好だ。

 マッチポイントを迎えた錦織は、最後をストレートで仕留めると右手で小さくガッツポーズ。フルセットの激戦を制した喜びからようやく安堵の表情を浮かべた。

 3回戦の相手は過去2戦2敗と苦手なベルダスコ。ツアー通算6勝(シングルス)を誇り元世界7位という実力者だ。ビッグサーブが武器のサウスポーで、錦織は初対戦となった2010年の全豪オープン3回戦でストレート負け。12年のバルセロナオープンでは準々決勝で対戦し、錦織が腰痛のため第1セット途中で棄権しており、この日が3度目の対決となった。

 第1セットは、お互いにサービスゲームをキープするものの、錦織はベルダスコの高角度のサーブに苦戦した。チャンスを生かせないままタイブレークに突入。最後はベルダスコの強打に押し込まれて、第1セットを6―7で落とした。

 だが錦織に焦りはない。難敵の現在の実力を冷静に見極め、第2セットは安定感のあるプレーで圧倒した。第1ゲームをキープすると、一気に5ゲームまで連取。第6ゲームではサービスゲームをキープさせたが、続く第7ゲームをラブゲームで取り、6―1でファイナルセットに持ち込んだ。

 苦手な相手以上にコートとも闘っていた。この大会は過去7回出場も3回戦止まり。初戦(2回戦)でライアン・ハリソン(22=米国)に勝利した際も「球足が遅くボールが跳ねやすいコートなので自分のテニスが合っていなかった」とコメントしていたほどだ。しかし、この日の第1セットでしっかり対応し、不安を取り除いてみせた。

 勢いに乗った第3セットは、第1ゲームをブレークする好スタート。5―4で迎えた第10ゲームでは連続ダブルフォールトでピンチを招いたが、最後はキッチリと仕留め、6―4で奪取。セットカウント2―1で4回戦に駒を進めた。

 今大会は4大大会に次ぐ格付けのマスターズ大会。昨年の全米オープンで準優勝した錦織はツアー8勝を誇るが、優勝者に1000ポイントが与えられるマスターズ大会での優勝はない。年間で9大会が行われており、ランキング上位を狙うには重要な大会だ。

 4回戦(18日=同19日)の相手は、世界12位のフェリシアーノ・ロペス(33=スペイン)と同23位のパブロ・クエバス(29=ウルグアイ)の勝者。苦手を克服した錦織に死角は見当たらない。