テニスの男子国別対抗戦のデビスカップ(デ杯)、ワールドグループ1回戦が6日から各地で開幕する。日本男子初の世界ランク4位に浮上した錦織圭(25=日清食品)を中心とする日本代表は敵地・バンクーバーに乗り込んでカナダと対戦するが、一筋縄ではいかない戦いが待っている。

 同じ顔合わせとなった昨年1月の対戦では、ホームで日本が勝利。現行制度導入後、初めてベスト8入りを決めた。しかし、当時カナダは世界ランク6位のミロシュ・ラオニッチ(24)、同62位のバセク・ポスピシル(24)がケガで欠場。2人とも出場予定の今回はベストメンバーでのホーム開催、さらにはカナダ特有のチーム愛を前面に出し、本気も本気で日本に向かって来るという。

「カナダのテニス界は国家育成のシステムがしっかりしていて、ラオニッチもそこで見いだされて今がある。国に対する思いは強く、デ杯への意欲はとても高い。前回、応援だけに来日したくらいですから。今回はホーム開催ですし、やる気十分でしょう」(日本テニス協会・八田修孝広報委員長)

 昨年、ラオニッチらは欠場にもかかわらず、わざわざ来日してレセプションにも出席。仲間の応援に精を出していた。世界トップランカーなら、その後のツアーを考えて体調管理を優先させそうなものだが、裏方に徹したのはチーム愛のなせる行動といえそうだ。

 もちろん日本も負けてはいない。「錦織はもちろん、添田豪(30=GODAITC)ら日本勢もデ杯に対する思い入れは強い。互いに良い試合をするでしょう」(同委員長)。ツアーとは違う、団体戦特有の激しい試合が見られそうだ。