錦織 全仏オープンに向け「情報専門部隊」新編成

2015年02月04日 11時00分

 テニスの全豪オープンでベスト8に終わった世界ランキング5位・錦織圭(25=日清食品)に、新たなサポート態勢が整えられることがわかった。日本テニス協会が“チーム・ケイ頼み”の強化からの脱却に向け、情報専門部隊を新編成する。全豪では対戦相手の徹底マークに遭って厳しい戦いが続いたが、早くも巻き返しの一矢が放たれることになりそうだ。

 

 選手強化を束ねる植田実強化本部長(57)は「ナショナルチームの現場のコーチとトレーナーとかそういうサポート以外に、研究者とかそういう部隊を持っておきたいという気持ちがあるので、新しく委員会の創設をお願いした」と表明した。強化本部直轄のもと、情報科学委員会(仮称)を新設するという。

 

 錦織はマイケル・チャン・コーチ(42)を中心にトレーナー、管理栄養士など自費で契約し“チーム・ケイ”を編成。米国・フロリダ州を拠点に日々、腕を磨いている。錦織が学んでいるのは、日本では得ることのできない最先端の技術やトレーニング方法。協会としても“錦織任せ”の部分が多かったが、方針を転換し、できるところから改革に乗り出した。

 

 同委員会は理事会の承認を得られれば4月をメドに設立する計画だ。高度な知識を持つ専門家に協力を仰ぐことで最新の情報を入手、分析し、世界標準を追求する。「日本の中じゃなくて、世界が動いているのを常にこっち側で察知しながら、特に情報ということと分析のところですね」(植田氏)。もちろん、有益な情報は“チーム・ケイ”とも共有し、試合にも生かしていく。

 

 2016年にはリオ五輪も控え、協会が主導して強化選手を育て戦略を立てていく必要がある。「彼(錦織)らと同じようなレベルで、彼らが日本に来た時も『我々のほうがもっと知ってるぞ』というところまで、もっていかないといけない。日本にはそれだけの研究者や、それだけのコーチングの資質のある人がたくさんいるんですよ」と植田氏は力を込めた。

 

 日本を拠点とする選手に対しては、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)や国立スポーツ科学センター(JISS)をより効果的に活用し、これまでの現場の指導に科学的なアプローチを融合させることで効率よく選手を強化する狙いもある。

 

 錦織は4大大会初制覇を目指した全豪でランク下位の選手からも徹底的に研究されていた。情報戦の比重がより強まったことも事実で、新委員会の発足は全仏オープン(5月24日開幕)での雪辱に向けても、相乗効果が期待できそうだ。