【オーストラリア・メルボルン28日発】4強ならず――。全豪オープン男子シングルス準々決勝で、世界ランキング5位・錦織圭(25=日清食品)は、前年覇者で同4位スタニスラス・ワウリンカ(29=スイス)に3―6、4―6、6―7のストレートで敗れた。

 昨年の全米オープン準々決勝では4時間15分、フルセットの激闘の末に錦織が撃破。この日も大接戦が予想されたが、序盤からワウリンカの攻撃に苦戦を強いられる。必殺の片手バックハンドで厳しい角度に次々と決められ、リズムをつかめない。

 ストローク戦でも打ち負ける場面が目立った。第2セット第5ゲームは、24回のラリー戦も最後は錦織のラケットが手から離れるほど追い込まれて失ってしまう。第3セット第2ゲーム、ようやくこの試合初めてブレークに成功したものの、続くゲームをラブゲームでワウリンカにブレークバックを許す。錦織が得意とするパターンを逆にやられて、突き放すことができない。

 タイブレークに持ち込んだ錦織は1―6から5連続ポイントで追いつく粘りをみせる。しかし、ドロップショットで痛恨のミス。最後はワウリンカのサーブに万事休す。

 1932年大会の佐藤次郎以来、日本男子として83年ぶりの全豪4強入りはならなかった。

 第1セット第4ゲームにはフォールトながらサーブで自己最速の202キロを記録。収穫も多かった錦織だが、4大大会初制覇は5月開幕の全仏オープンにお預けとなった。