【全豪オープン】錦織に追い風 ワウリンカ戦は「勝率70%」

2015年01月28日 06時15分

【オーストラリア・メルボルン26日発】男子テニスの世界ランキング5位・錦織圭(25=日清食品)は、28日の全豪オープン準々決勝で前年覇者で同4位のスタニスラス・ワウリンカ(29=スイス)と激突する。悲願の4大大会初制覇へここからが本番となるが「GAORA」テニス中継解説者の佐藤武文氏(43)はワウリンカ戦勝利の確率を「70%」と断言。Vロードに向けて3つの理由を明かした。

 26日の4回戦では世界ランク10位ダビド・フェレール(32=スペイン)にオール6―3でストレート勝ち。第1セットには200キロのサーブでエースを奪うなど、錦織は上り調子で3年ぶり2度目の全豪8強入りを決めた。

 準々決勝の相手は強敵ワウリンカ。錦織は昨年の全米オープン準々決勝で対戦し、フルセットの死闘の末に初勝利を挙げている。錦織自身「世界で最も厳しい対戦相手の一人」と話すように、あなどれない相手だ。しかし、佐藤氏は錦織勝利の可能性について「ボクは70%以上あると思う」と予想。錦織がワウリンカを粉砕するシーンが思い浮かぶという。

 その根拠は3つある。まずワウリンカ戦では錦織の長所がより生きるという点だ。「ワウリンカはファーストサーブの確率が悪い。なので、錦織選手は得意のセカンド(サーブ)からリターンの展開に持っていける」。200キロを超える高速サーブを武器にするワウリンカだが、今大会ファーストサーブが入る確率は4試合平均で61・2%。サーブの精度に苦戦しており同62%の錦織を下回っている。第1サーブを失敗すれば、第2サーブはスピードもガクッと落ちる。錦織のチャンスは大きく増える。

 次に錦織はワウリンカの必殺ショットも封じるという。「ボールのコントロールのクオリティーが錦織選手のほうが上。ワウリンカの得意のショットはバックのダウン・ザ・ライン(サイドラインと平行に打つショット)。それが来てもバック対バック、フォア対フォアで打ったとしても錦織選手が上回っている」。打ち合いで錦織は抜群の勝負強さを発揮。渾身の一打を崩されれば相手が受ける精神的なダメージも計り知れない。

 最後は錦織のメンタル面の変化だ。前回覇者のワウリンカと対峙することで再び錦織に“挑戦者”の魂が宿るという。「向こうはチャンピオン。この先、プレッシャーは絶対ワウリンカが上。錦織選手には『ここで勝って上にいく』というチャレンジ精神が出てくる」。トップ5となり、今季の試合はすべて世界ランクで下の相手との対戦だった。錦織は意識せずとも胸を貸す立場にあったが、ワウリンカ戦は違う。ツアー・ファイナル以来となる久々の上位勢との対戦に、燃えないはずがない。

 テニスや精神力の勝負では軍配は錦織。一方で佐藤氏は「体力面の回復がカギ」と錦織の疲労を不安材料に指摘した。フェレール戦では完勝にもかかわらず、険しい表情を何度も見せた。「体力のリカバリーがどうなっているか心配」。錦織はクールダウンにアイスバス(氷風呂)などを活用。ダメージの除去が勝敗に影響しそうだ。

 いずれにせよ、錦織に追い風が吹いていることは間違いない。いよいよアジア人史上初の快挙が近づいてきた。