<全豪オープン>錦織に200キロサーブ温存指令

2015年01月19日 16時00分

【オーストラリア・メルボルン発】テニスの全豪オープンが19日に開幕した。4大大会初制覇を狙う男子シングルス世界ランキング5位の錦織圭(25=日清食品)には意外な「200キロサーブ温存指令」が出ている。今大会ではサーブが初戦から大きな武器となりそうだが、日本テニス協会幹部は「スピードは落としたほうがいい」と全く逆の通達。その真意とは――。

 

 錦織の目標は悲願の4大大会初優勝しかない。昨年の全米オープンで準優勝。同じ4大大会の全仏オープン(クレー=土)、ウィンブルドン選手権(芝)と異なり、全米と同じハードコートの全豪は、錦織にとって最も優勝に近い大会との評がある。

 

 新たな武器も用意した。サーブだ。今月から新型ラケットを使用し、グリップも修正したことでスピードが大幅に向上した。

 

 前哨戦のブリスベン国際では過去最速となる200キロ近い高速サーブを叩き込んだ。準決勝で敗退したが、本人もサーブを最大の収穫に挙げた。

 

 しかし、全豪ではこのサーブの使い方が、思わぬ落とし穴になりかねないという。日本テニス協会幹部は「最初はスピードを落とし、確実に入れることを考えたほうがいい」と主張。極力、高速サーブを使うことなく戦うべきだという。

 

 これまでは試合を常に100%の力で戦うスタイルだった。ところが、全米では勝ち上がりこそしたものの、その反動で決勝までに心身を消耗してしまった。高速サーブの温存は後半戦を見据えてのことだ。

 

 全豪ではいかに体力を温存するか戦略の転換が不可欠となる。1回戦や2回戦をストレートで勝つのは当然。内容も省エネを心がける。特に全神経を注ぐサーブはただでさえ、体に強い負担がかかる。200キロともなれば相当だ。スピードを出そうとするあまり、ミスをしてしまえばサーブはやり直しになる。ネットインがあれば最大3本を打たなければならない。正確性を欠けば無駄なエネルギーを費やすだけというわけだ。

 

 スピードを抑えても今の錦織なら十分、対処できるという。もともとストロークやリターンの技術で勝ち上がってきた選手だ。「サーブを2本打つのと1本では違う。体力ロスを防げる。ファースト(サーブ)を入れて、返ってきた時の展開とか錦織は得意」と同幹部は力を込めた。

 

 20日の1回戦では元世界ランク9位のニコラス・アルマグロ(29=スペイン)と対戦する。サーブが優勝へのカギとなることは間違いないが、しばらく“フルショット”は必要ないかもしれない。