【オーストラリア・ブリスベン9日発】男子テニスの世界ランキング5位・錦織圭(25=日清食品)がブリスベン国際完全制覇に大前進した。

 まずはシングルス準々決勝で地元の同53位バーナード・トミック(22=オーストラリア)と対戦。完全アウェーの中、錦織は第1セット、6―0で先取すると第2セットも6―4で制し、ストレート勝ち。3年連続の4強入りを決めた。さらに2試合目のダブルス準決勝も相棒のアレクサンドル・ドルゴポロフ(26=ウクライナ)と息ぴったりの連係で6―3、6―3で快勝。ダブルスはツアーを通じ、自身初の決勝進出で「正直(シングルスより)こっちの方がうれしい」と手放しで喜んだ。

 好調の理由を「リターンが明らかに良かった。(相手の)第2サーブも攻められた。リターンが良くなってくると自然とゲームにリズムが生まれる」と話したが、一方でトップ5の“貫禄”も新たな武器となっている。テニス関係者は「トミックはテニスがうまい選手。それが錦織を意識し過ぎて精彩を欠いた。世界ランク5位だからできること」と指摘。“エアK”が放つ圧倒的オーラに相手は本来の持ち味を封じられ“自滅”してしまったという。

 10日の準決勝では宿敵の同8位ミロシュ・ラオニッチ(24=カナダ)と対戦するが、過去5度の対戦では錦織が4勝1敗と大きくリードしている。新春早々、エンジン全開で全豪オープン(19日開幕)での4大大会初制覇へも期待が膨らむばかりだ。