錦織 アガシから学んだ「逆境力」

2014年11月24日 09時00分

アガシ氏(右)と試合後に握手した錦織は大きな収穫を得た

 22日に東京・有明コロシアムで行われた「ドリームテニスARIAKE」で、男子テニス世界ランキング5位の錦織圭(24=日清食品)は4大大会通算8勝のアンドレ・アガシ氏(44=米国)から“新たな力”を注入された。

 約20年ぶりに来日したアガシ氏はエキシビションとはいえ、衰え知らずのプレーを随所に披露。シングルスで対戦し、ダブルスではパートナーとして組んだ錦織は「プレースタイルも似ている。彼のストロークでの展開の速さはとても勉強になりました」と技術面での大きな収穫を強調した。そんななか、日本テニス協会関係者はこの時期のアガシ氏との遭遇を、別の観点から歓迎した。

「アガシのテニスを今の錦織にあてはめてもいいところはない。それより勉強になるのは、落ちてもやれるというアガシの生きざまです。錦織はこれから上がるかもしれないけど、落ちる可能性もあるからね」

 アガシ氏は1995年までに4大大会のうち全仏オープンを除く3大会で優勝。だが97年に女優ブルック・シールズとの結婚で私生活をにぎわせたことが影響し、世界ランクは141位まで急降下した。それでも下部ツアーから出直すド根性で、99年全仏でV。96年アトランタ五輪金メダルと合わせ、史上初の“生涯ゴールデンスラム”の達成者となった。

 4大大会初優勝を目指す錦織にとって、来年は“地位”を守る戦いもスタートする。未体験の重圧とあって「すでに構えている部分がある」(錦織)。故障を抱えていることもあり、躍進とランキングの急降下は常に背中合わせだ。

 この日、コート内でアガシ氏と話し込む場面もあり、会話の端々から、錦織が感じるものは多かったはずだ。今の錦織にアガシ氏の“逆境力”が加われば鬼に金棒。恐れることなく来季に臨めそうだ。

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