女子テニスの「東レ・パンパシフィック・オープン」(9月20日開幕、会場未定)の主催者は2日、新型コロナウイルス禍の影響で同大会を中止にすることを発表した。昨年の大会もコロナ禍が原因で1984年の創設以来初めて開催できず、2年連続の中止となった。

 大会実行委員会は「WTA(女子テニス協会)とともに国際大会開催のために必要な感染対策の実施や入場規制等での開催など様々な方策を探ってまいりました」とした上で、開催を断念した理由について「国内での新型コロナ感染状況がいまだ収まっていない中、出場選手やその関係者、メディア、来場者、協賛会社、運営スタッフの安全の確保をすることは現時点で厳しく、海外からの選手が出場する大会においては外国人選手およびスタッフへの入国制限措置等を鑑み、中止せざるを得ない苦渋の結論に至りました」とコメントした。

 この日は男子ツアーの楽天ジャパンオープン(10月4日開幕、東京・有明)、女子ツアーの花キューピット・ジャパン女子オープン(9月13日開幕、広島広域公園)もコロナ禍を考慮して中止にすることが日本テニス協会から発表された。テニス界にとって〝ドル箱〟のビッグイベントがすべて中止になったことは痛手だが、関係者からは「仕方ない」「賢明な判断」との意見が出ている。

 その一方、ネットでは「なぜ五輪は開催できるのか?」「テニスは中止なのに五輪は安心安全?」「五輪より後の大会が中止なのに…」との意見が相次ぐ。3大会の中止の理由はすべて「安全が確保できない」というもの。それらより前に開催する東京五輪(7月23日~8月8日)については政府も大会組織委員会も「安心安全」を連呼しており、国内では「矛盾だ」の声が広がっている。