イチロー、本田も超えた! 男子テニスで世界ランキング5位の錦織圭(24=日清食品)が日本経済を救う勢いだ。全米オープン準優勝、最終戦ATPツアー・ファイナル(英国・ロンドン)ベスト4進出など、今季大ブレークした“エアK”の経済効果は約300億円に上る。その波及効果全体では、約800億円もの莫大な金額になったことも判明。日本の経済にもアスリートとしてナンバーワンの影響を与えたという。

 錦織は20日、都内で引っ張りダコだった。午前9時40分からは契約するウイルソンの新作ラケット「BURN」発表会、午後1時15分からユニクロの「30周年感謝祭」、午後6時10分から英高級車ジャガー・ランドローバー・ジャパンの「Fタイプ KEI NISHIKORI EDITION」発表イベントに参加。まさに大躍進を象徴する一日となった。

 天井知らずの“エアK”人気で気になるのは、いったいどれくらいのお金になったかだ。本紙はすでに、錦織が全米オープン準V時でのメディア露出急増で「広告効果」が約500億円近いと伝えたが、その後も勢いは増すばかり。広告代理店関係者は錦織の「経済効果」について「300億円程度になるのでは」と明かした。

 その内訳はまずテニス関連だけで約170億円になる。昨年までの2年間のデータをもとに算出したテニスの国内市場は全体で約855億円。ラケットやボールなどのテニス用具関連で約554億円、会員制を含めたテニススクールやレンタルコートの規模が約301億円で「錦織選手の活躍は売り上げを約20%押し上げると言われていますから、170億円になります」(同関係者)。

 テニスの国内市場は年々縮小傾向にある。2002年に約1200万人いた競技人口は10年間で500万人までに激減したというデータもある。錦織も「コートが減っている」と嘆いたほどだが、今季の快進撃はテニス人気復活の起爆剤になるのは間違いない。

 加えて、錦織を支援している企業にも経済効果は大きく波及する。所属契約する日清食品を筆頭にタグ・ホイヤー(時計)、デルタ航空など一流企業ばかり10社とスポンサー契約を結んでいる。さらに全米オープンを中継したWOWOWは9月に開局以来最高となる新規入会者を獲得した。合わせて4大大会や来季ATPツアーの日本向けテレビ放映権は争奪戦となり、スポットCMなど付随するものも大きい。こうした各業界への“エアK効果”の合計が約130億で、経済効果は合計約300億円となる。

 同関係者によれば「テニスでは日本史上最高。(クルム)伊達(公子)とか松岡(修造)とか比べものにならない。本田(圭佑=28、ACミラン)、イチロー(41)をしのぐ勢い。かなりの効果がある」。

 日本サッカーの現役エースと大リーグのスーパースターでも錦織には太刀打ちできないというからかなりのもの。重複する部分はあるものの前出の広告効果と単純計算すれば、錦織の活躍にはなんと約800億円もの“付加価値”があったのだ。経済への波及効果はすさまじいものがある。

 今後も活躍すればするほど、錦織の経済効果も上昇する。テニス界だけではなく、いまいち波に乗れない日本経済にとっても“救世主”になりそうだ。