テニスの4大大会「全仏オープン」(パリ)の男子シングルス3回戦で世界ランキング49位の錦織圭(31=日清食品)が同150位のヘンリー・ラクソネン(29=スイス)と対戦。第2セット開始直後にラクソネンの棄権によりベスト16進出を果たした。

 労せずして3回戦を突破したが、思わぬ苦戦を強いられた。第1セット、2―2となったところでラクソネンが太ももの内転筋を痛めてメディカルタイムアウト。その後、ほとんど動けない相手に対し、ラリーで決定打を欠いて崩し切れない。さらに5―6となったところで雨天中断となり、モヤモヤが募った。

 中断が明けると第12ゲームをキープして第1セットを奪取。第2セットが始まったところで相手がついに白旗を掲げて棄権となった。錦織は1、2回戦でともにフルセットを戦い、約8時間もコートに立った。相手の棄権という形で〝省エネ〟につながったことは、今後を占う意味では大きな収穫だろう。