世界的ゴルファーはウエアメーカーの理想像だった。男子ゴルフの「日本オープン」初日(16日、千葉CC梅郷C=パー70)、アダム・スコット(34=オーストラリア)が元世界ランク1位(現在2位)の力を見せ、2アンダーの9位と好スタートを切った。

 カジュアル衣料の「ユニクロ」はテニス界では日本のエース・錦織圭(24=日清食品)、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)、所属契約も結ぶ車いすテニスの国枝慎吾(30)と複数の選手と契約しているが、ゴルフ界ではスコットただ一人。会場を訪れた同社の関係者は「一人ということにこだわっているわけではない」とした上で「最初に最高の選手と出会ってしまった。他にもっといい選手がいたら教えてほしいぐらいです」と笑った。

 昨年の「マスターズ」を制覇した実力、世界的な人気と知名度、ウエアメーカーとしては重要な抜群の容姿と、すべて兼ね備えた選手はどこを探しても存在しないというわけだ。

 さらにスコットは商品開発にも積極的に参加する。この日も着用したヒット商品の「ドライストレッチパンツ」は自らテストを繰り返したもの。「機能面では軽さ、乾きやすさ、ストレッチ性がポイントでした。『プレーグッド、ルックグッド』と繰り返していて、色や柄にもこだわりがある」(同関係者)という。

 この日は白のポロシャツに赤のセーターでプレーしたスコットも「ユニクロのカラーなので、この組み合わせはよく着るんだ。日本のカラーでもあるし、良かったと思う」。スポンサーや日本のファンへの気遣いまで完璧にこなし、唯一無二の存在であることを改めて証明した。