エアKフィーバーは終わらない。テニスの楽天ジャパン・オープン5日目(3日、東京・有明テニスの森公園)、錦織圭(24=日清食品)は世界ランク34位のジェレミー・シャルディー(27=フランス)を6―4、6―2のストレートで破り、2年ぶりの4強進出を果たした。


 2日に右臀部の痛みを訴え、ダブルスを棄権した錦織は強風が吹きつけるなか、不安を吹き飛ばすプレーを随所に見せた。


 第2セットにはメディカルタイムアウトを取って腹ばいになり臀部のマッサージを受け、最後まで音を上げなかった。


 この日も3日連続の札止めとなる1万2153人が駆けつけた。公式グッズも大盛況で「去年に比べ2倍の売れ行きです」(販売スタッフ)と連日売り切れ商品が続出している。会場では錦織個人のグッズは販売していないが「お客さんにもよく聞かれるんです。あったら売れると思うんですけど…」(同)と要望が殺到しているという。


 一方、9月に錦織効果で過去最高となる約15万3000件の新規加入を獲得した衛星放送「WOWOW」のブースでは、入会者向けに1日300個のクッションバッグをプレゼントしている。「朝は行列ができていますし、時間を区切っています。300個をあっという間に超えちゃうので…」(関係者)とこちらもうれしい悲鳴だ。


 準決勝(4日)の相手は同62位のベンヤミン・ベッカー(33=ドイツ)に決定。来日中の男子プロテニス協会(ATP)のクリス・カーモード会長(49)が「彼のような若い選手にこれだけの期待を寄せることは彼の責任、重荷になることは間違いない。優しくしてあげて」と報道陣に諭すほどの空前の錦織ブームは決勝(5日)でピークを迎えそうだ。