男子テニスで4大大会通算20勝のロジャー・フェデラー(39=スイス)が今夏に開催予定の東京五輪出場に複雑な胸中を語ったと英紙「デーリー・メール」が伝えている。

 開催地の東京は深刻な新型コロナウイルス禍の中、大会実施に向けて真摯に取り組んでいるものの、感染拡大が続いていることで世界中から疑問の声が出ている。同紙は、フェデラーが五輪について地元スイスのテレビ局「レマンブルー」に出演し「正直なところ、私は何を考えるべきかわかりません」とのコメントを報じている。

「五輪に出場して、スイスにメダルをもたらしたい。私はそれを誇りに思うでしょう」としながらも「アスリートが必要としているのは決断だと思います。現時点で五輪は開催されるという印象を持っています。(東京に)行きたいかどうかはアスリートが決めることもできます。抵抗があると感じたなら、行かない方がいいかもしれません」と語ったという。

 テニス界ではラファエル・ナダル(34=スペイン)や錦織圭(31=日清食品)、セリーナ・ウィリアムズ(39=米国)、大坂なおみ(23=日清食品)らのトップ選手が東京五輪の開催のリスクについて慎重に議論する必要があると表明。フェデラーも現状を懸念しており、開催地の状況を見極めた上での決断が必要という見解だ。

 また、フェデラーはすでにワクチンを接種したとし「何より、他人にうつしたくないので、そのために打った。私たちは家族や友人に非常に注意を払っています」と語っているが、五輪の開催とコロナ対策を含めてアスリートたちは、どんな決断を下すのだろうか。