錦織の活躍で沸く全米オープンで、粋なハプニングが演出された。錦織がジョコビッチを破った男子シングルス準決勝直後、4大大会の女子シングルスを18度制した往年の名選手、マルチナ・ナブラチロワさん(57)が、ガールフレンドのユリア・レミゴワさんに会場の大型モニターを使い公開プロポーズしたのだ。まさかの展開に会場からは大歓声が湧き起こった。


「私はとてもナーバスだったわ。でもうまくいった。彼女は『イエス』と言ってくれた。超現実的な感じだったわ。他の人が、スポーツイベントでプロポーズしているのを、映画でも実生活でも見てきた。それが自分の身に起きた。自分が自分のプロポーズを見ているような気分がしたわ」


 喜びをストレートに表現したナブラチロワさんは、2人が住むフロリダ州での結婚を希望しているという。8月には連邦裁判所が、フロリダ州が同性愛者の結婚を禁じていることを違憲としたが、フロリダ州は控訴している最中だ。


 ナブラチロワさんは、チェコスロバキア国籍だった1981年の全米オープンで準優勝に終わった直後、米国市民権を獲得。同性愛者であることをカミングアウトしている。それから33年。現在、同性愛結婚は米国19の州とコロンビア特別区で認められており、ナブラチロワさんのプロポーズは全米オープンの観客からも素直に祝福された。