<全米OPテニス>ユニクロ開発チームを驚かせた錦織の“超人伝説”

2014年09月06日 07時30分

 テニスの全米オープンで日本人として96年ぶりの準決勝進出を果たした錦織圭(24=日清食品)は6日(日本時間7日)に世界ランク1位で第1シードのノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)と対戦する。両者は偶然にもユニクロとウエアのスポンサー契約を結ぶことから「ユニクロ対決」としても注目を浴びている。本紙が同社を直撃すると、グラム単位にまでこだわる錦織の驚異の“衣装職人ぶり”が判明した。

 錦織の4強入りでうれしい悲鳴を上げているのがユニクロだ。8月25日に全米オープン着用モデルを発売。錦織の快進撃を受け好調な売り上げだという。一方で、準決勝の相手ジョコビッチも同社と契約。公式ツイッターが「準決勝は錦織圭選手との対戦で、#ユニクロ対決 となります。応援よろしくお願い致します」とつぶやくなど“同門対決”をあおっていた。

 ユニクロと錦織の契約は2011年シーズンから始まった。当初からさまざまな要望を聞き、試行錯誤を重ねてウエア開発に反映させてきたという。

 いったい、錦織のウエアにはどんな“秘密”があるのか。ユニクロの担当者は、本紙の取材に「会社としましては歴史的な快挙を達成したことを本当にうれしく思っています」と錦織を祝福すると、勝利を呼ぶ3つのポイントを挙げた。

 最大のこだわりはウエアの重さにある。錦織の場合は「ほかの選手より上半身をひねるので軽すぎると体に巻きついちゃう」傾向があった。そこで最軽量化したウエアよりもやや重いものを着用。襟の部分で重さを調整したという。「襟に重みを入れていくんです。それでも巻き上がるんですけど、襟がついていたほうが体の芯がきちっとするらしいんです」

 そして開発チームが驚いたのが、錦織の重さに対する感性だ。錦織にウエアを選んでもらう際、複数のサンプルを用意するが「本当にグラムの違いが分かるんです。私たちは持っただけじゃ、どちらが重いか分からない。タグを見ながら説明していた。でも、本人は着ただけで分かる。体が繊細で(感覚が)研ぎ澄まされているんです」。数グラムのズレも錦織は見逃さなかった。続いての特徴は足元にあった。「滑るので、踏ん張るためにも靴下はしっかり作ってほしいと言われています」

 錦織の生命線は豊富な運動量と粘り強いラリーにある。準々決勝も白いソックスが光ったが、最新のテクノロジーが凝縮されている。さらにアクセサリー類でも「日差しが強い時は帽子やハチマキ、リストバンドの希望があります」。全米オープンを含め、4大大会は屋外が原則。気候の変動や風向きが僅差の場面で勝敗に直結するためだ。

 なお、ジョコビッチと最も好みが分かれるのがデザイン。「ジョコビッチ選手は自分をスタイリッシュに見せたり、細めのウエアが好き。錦織選手はダボッとしたものが好きだったりします」

 いずれにせよ、技術や体調だけでなく、身につけるアイテムまで一切の妥協を許さないのは錦織のプロ魂そのもの。“表裏一体”のベストパフォーマンスが歴史を変える挑戦を後押しする。

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