【全米オープン】大坂なおみ 準決勝の〝差別抗議マスク〟は4年前に射殺された黒人男性

2020年09月11日 08時37分

準々決勝、ジョージ・フロイド氏のマスクを着ける大坂(ロイター=USA TODAY)

【米ニューヨーク10日(日本時間11日)発】思いは届いたか――。テニスの4大大会「全米オープン」で、世界ランキング9位で第4シードの大坂なおみ(22=日清食品)が世界41位のジェニファー・ブラディ(25=米国)との準決勝に臨んだ。

 6試合中5度目となるセンターコート(アーサー・アッシュ・スタジアム)に登場した大坂。この日も黒いマスクを着用し、そこには「フィランド・カスティール」の名前が記されていた。2016年7月、ミネソタ州で運転中に警官に呼び止められ、射殺された黒人男性だ。

 今大会、大坂は人種差別への抗議として黒人被害者の名前入りマスクを着用。決勝までの試合数と同じ7種類のを〝差別抗議マスク〟を準備しており、この日が6枚目の披露となった。

 米国内では「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大事だ)」と呼ばれる抗議運動が過熱しており、かねて大坂は「自分には発言するチャンスがあるから声を上げる」と一石を投じてきた。前哨戦ではボイコットも示唆し、BLMのTシャツを着用。今大会は被害者の遺族から感謝のメッセージが届くなど、大坂の行動に賛同する声が全世界に広がっている。

 この試合に勝てば全てのマスクを披露する当初の目的を達成できる。なお、大坂のマスクに記された名前とコメントは以下の通り。

〈1回戦〉
「ブレオナ・テーラー」
 今年3月、ケンタッキー州で警官に射殺された黒人女性。
 大坂「ただ、気付いてもらうこと。ブレオナ・テーラーさんの話を拡散して、もっと関心を持ってもらうため。今大会は7枚のマスクを用意している」

〈2回戦〉
「エリジャ・マクレーン」
 昨年8月、コロラド州で警官による取り調べを受けた後に病院で亡くなった黒人男性。
 大坂「彼のストーリーを読んで心を痛めた。悪く書かれたものは一つもなく、優しさにあふれた男性だった。彼の名前を表現することができ、特別な日になった」

〈3回戦〉
「アマード・アーベリー」
 今年2月にジョージア州でジョギング中、白人男性にトラックで追い掛け回されて射殺された黒人男性。
 大坂「あんな惨事は起こる必要がなかった。みんなに知ってもらいたい。どれくらいの人がマスクの活動を知っているか分からないけど、みんなとつながっている気がする」

〈4回戦〉
「トレイボン・マーティン」
 2012年2月、フロリダ州で自警団員に射殺された当時17歳の黒人少年。
 大坂「彼の死はハッキリと覚えている。当時、私は子供だった。何が起こっているか?に目を開かせてくれた。同じことが何度も繰り返されるのは悲しい。変わらないといけない」

〈準々決勝〉
「ジョージ・フロイド」
 今年5月にミネソタ州で警官に首を地面に押し付けられて死亡した黒人男性。この動画が拡散され、米国内で人種差別抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」が過熱した。
 大坂「準決勝でどの方の名前のマスクを使うか決めていない。マスクは当日に決めている」