【テニス】10月開催の楽天ジャパンOPが中止 日本ならではの事情

2020年06月20日 16時40分

 なぜ開催できなかったのか。アジアで最古の歴史を持つ男子テニス「楽天ジャパン・オープン」(10月、東京・有明)が新型コロナウイルスの影響で中止となった。

 大会ディレクターを務める日本テニス協会の川廷尚弘副会長は「ホントに悔しい。もう泣きそうです。本当にギリギリまで考え、悩みに悩んだ」と心中を吐露。収益の基盤となる大会中止で協会は10億円以上の損失となったが、その理由を「選手やコーチを安全に出入国させる見通しが立たなかった」と語った。

 とはいえ、錦織圭(30)や大坂なおみ(22=ともに日清食品)が出場予定の全米オープン(8月31日開幕、ニューヨーク)は無観客ながらも開催が決定。日本より感染が広がっている国で実施されるのに「なぜ中止?」との疑問が残る。

 これには日本ならではの理由があるという。同協会の高橋甫常務理事は「自主的な判断を求めるのが日本という国。(開催可否の)強権を政府が発動してくれれば我々は責任を免除される。でも『要請』や『自粛』となると、臆病かもしれませんが責任はなかなか取れない。こういう日本の特殊事情があるんです」。

 日本協会は万が一、大会中にコロナ陽性者が出た場合もシミュレート。何度も会議を繰り返し、石橋を叩いて渡らなかった。一方、全米テニス協会は「(開催地の)ニューヨークは安全」の一点張りで経済活動を優先。なかば見切り発車だ。大会の開催可否は、日米の国民性を反映しているのかもしれない。