男子テニス国別対抗戦「デビス杯」の予選エクアドル戦(6日開幕、兵庫・三木市のブルボンビーンズドーム)のドロー抽選会が5日、神戸市内で行われた。

 今大会は他のスポーツ競技と同様、新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客試合で開催される。前日会見ではメディア・関係者に検温とマスク着用が義務付けられ、選手もホテル以外での食事が禁止されるなど厳戒態勢が敷かれる異例の状況となった。

 岩渕聡監督(44)は「相手国もよく来てくれましたし、ホントに感謝しています」と安堵しつつ、転戦の中の集まった選手をまとめる立場として「無事に次の週の大会に行けるのかをずっと心配しています」と複雑な心情を語った。

 世界ランキング31位の錦織圭(30=日清食品)がエントリーから外れたことで、シングルス2試合を戦う予定の内山靖崇(27=北日本物産)は「今、日本国内で様々なスポーツが中止になったり無観客って状況。チケットも完売したとうかがっていますし、ホントに楽しみにしていたと思います。テレビの前でたくさんの方が応援してくれていると思うので、しっかり結果を残すことが見に来る予定だった方々へのお返し」と神妙な面持ちで語った。

 そんなムードを一変させたのがシングルス2試合を予定している添田豪(35=GODAI)だ。マイクを握ると「まあ、無観客みたいな試合を僕は何回もしてきたので…。そこに関しては全く問題ないと思います」とサラリ。エース錦織を尻目に、秀逸すぎる“自虐ネタ”を炸裂すると、会場は爆笑に包まれた。さらに添田は「お客さんがいないことでチームや選手の声援がより聞こえると思う。一丸となれるチャンス。チームとして戦いやすいので、頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

 新型コロナ、無観客…と暗い雰囲気の中、どこまでも前向きな姿勢だった。