世界50か国、約5000店舗でランニングシューズなどを製造販売する新興メーカー「On」(本社・スイス)と、その日本支社「オン・ジャパン株式会社」(本社・神奈川県)は23日、史上最強テニスプレーヤーのロジャー・フェデラー(38=スイス)が同社のチームメンバーに加入したことを発表した。

 ツアー歴代最多111勝、4大大会20Vなど数々の金字塔を打ち立てるテニス界の皇帝に新たな道が開けた。来季以降も現役プレーヤーとしてツアーに参戦しながら、世界で最も成功したアスリートとしての知見を生かし、同社のアドバイザーとして製品開発、スポーツマーケティングなどをサポート。先月、来日した際に2020年の東京五輪出場を宣言したが、同年に発売予定のニューモデルシューズの開発にチーム一員として取り組むという。

 かねて同社製品を愛用していたフェデラー。同社共同創業者のオリヴィエ・ベルンハルド氏は「ロジャーとの友好が深まるにつれ、彼が競技以外の部分でも優れたリーダーであり、新たなことに挑戦する起業家精神を持っていることを知った。ロジャーがメンバーとなることで、とてつもない化学反応が起こると確信している」と目を輝かせる。

 一方、フェデラーも「アスリートとしての経験を生かし、この若いパフォーマンスブランドのさらなる成功にどのように貢献できるのか。それを考えると今からワクワクしている」と期待に胸を膨らませる。

 ちなみに、同社とフェデラーはスポンサー契約やパートナー契約を結んだのではなく、ブランドの成長に伴い、貢献度に応じた報酬が還元されるという。

 コート上で数々の伝説を残してきた男。実業家としても「一流」であることを証明できるか。