【テニス】大坂なおみ 28年ロス五輪米代表で出場も

2019年11月08日 16時30分

日産自動車のイベントに登場した大坂なおみ

 かなり気の早い話だが、女子テニスの世界ランキング3位、大坂なおみ(22=日清食品)が2028年ロス五輪に「米国代表」で出場するかもしれない。すでに来年の東京五輪出場を宣言する大坂は、問題視されてきた二重国籍を解消し、先ごろ日本国籍を選択した。だが実は現在も米国籍を有しており、将来的に米国代表になることは可能。いったい、どういうことか?

 大坂はハイチ出身の父、日本人の母との間に生まれ、米国と日本の二重国籍だったが、日本の法律では22歳の誕生日までに国籍を選択する必要があり、10月16日の誕生日を前に「日本国籍」を選んだ。これを受けて「日本を選んでくれて感謝!」とファンは大喜び。一方で「米国の市民権を放棄」と報じたメディアもあるが、これは大きな勘違いだ。

 国籍法にまつわる数々の裁判実績を持つ近藤博徳弁護士はこう説明する。「大坂選手が行ったのは国籍選択届を役所に提出する手続きで、いわゆる日本国籍の『選択宣言』です。でも、この手続きでは米国籍はなくならない。外国籍に関しては、その国の法律でしか失わせることができないんです」

 大坂の場合、米国籍に関しては日本の国籍法ではどうすることもできない。しかも米国は二重国籍を認めているため、わざわざ米国籍を離脱するとは考えづらい。では、日本国籍を選んだのに米国籍を持ち続けていいのか? 法律上は「外国籍の離脱に努めなければならない」とうたわれているが、近藤弁護士は「あくまで離脱の努力義務であり、法律的な強制力はない」と言い切る。

「大坂選手は日本国籍の選択義務を履行している状態なので全く問題ない。今後、米国籍を離脱するか否かは彼女個人の問題です。日本政府が彼女の米国籍について関知することはありません」

 将来的に大坂が米国籍を有したまま米国代表として国際大会に出場したとしても、日本側から「外国籍離脱の努力をしていない!」と法的なツッコミが入ることは一切ない。ある意味、合法的に認められた「二重国籍」ということだ。

 過去には3か国の代表で五輪に出場した選手も存在する。大坂は7日の都内イベントで「東京五輪ではすべて勝って金メダルを取りたい」と宣言した。このまま永続的に堂々と米国籍を持ち続けることは可能。今から9年後の心配をすると鬼が大笑いしそうだが、三十路に入った大坂が“母国”開催のロス五輪で「星条旗を背負う」なんて展開も十分に考えられる。