男子テニスの世界ランキング8位・錦織圭(29=日清食品)が22日、日本国内で故障していた右ヒジの手術を受けた。これで今シーズンは終了し、24日からリハビリを開始。来季へ向けて12月初めの練習再開を目指すという。

 右ヒジに痛みを抱えてきた錦織は8月の全米オープンを最後にツアー大会を欠場。この日に右ヒジの骨棘(こっきょく)を取り除く手術を受けると21日に発表していた。

 気になるのは来年の東京五輪だ。国際テニス連盟(ITF)の出場規定では、過去4年間で国別対抗戦デビス杯に最低3回は出場しないといけない。錦織は11月18日開幕のデビス杯を欠場するため、条件を満たすことは不可能。しかし本紙がすでに報じたように、例外規定が今年1月につくられた。出場資格の条件に追加された一文は「オリンピックテニス競技/デビスカップまたはフェドカップへの貢献」。

 錦織は2016年リオ五輪で銅メダルを獲得し、日本に96年ぶりのメダルをもたらした。ある日本協会幹部は「貢献という言葉はあいまいだが、リオは十分に貢献と言えるし、条件を満たしたと読み取れる。この特例は本当に大きい」。例外規定は今年の全豪オープンの大会中、ITFと一部トップ選手が交渉した末に成立。今の錦織にとって、究極の“助け舟”となった。

 また例外規定には「ケガ、病気」も含まれている。正式な診断書と大会を欠場した明確な期間が条件だが、錦織はこちらもクリア。今月のイベントでは小学生相手のミニゲームで利き腕の右手を全く使わず、サウスポーに徹した。「写真を撮られてネットに出たら、巡業を休んでサッカーをした(元横綱)朝青龍みたいになる。その可能性を未然に防いだんです」(別の関係者)

 例外規定をダブルで満たすため、五輪出場はほぼ間違いないだろう。