日本勢初の五輪金メダルへ半歩前進か。女子テニスのネイチャーバレー・クラシックのシングルス1回戦(18日、英国・バーミンガム)で世界ランキング1位の大坂なおみ(21=日清食品)は同33位マリア・サカリ(23=ギリシャ)を6―1、4―6、6―3で破り、2回戦で43位のユリア・プティンツェワ(24=カザフスタン)と対戦する。

 決して得意ではない芝コートの今季初戦を苦しみながら切り抜け「芝コートでより良いプレーができるように学んでいるところ。今季、調子の良い相手に勝てて本当にうれしい」と安堵の表情だった。次の4大大会、ウィンブルドン選手権(7月1日開幕、ロンドン)へ向けて今後は芝コートへの適応が課題となるが、一方でこの日、日本テニス協会は東京五輪へ向けた強化指定選手を発表。大坂や男子世界ランク7位の錦織圭(29=日清食品)ら計15人が選出された。

 ただ、大坂は現時点で五輪出場資格を満たしていない。規定では前回の五輪終了後からの4年間で国別対抗戦フェド杯に少なくとも3回は当該国代表として出場しなければならず、米国と日本の二重国籍を持つ大坂が日本代表で五輪に参加するためには来年2、4月に行われるフェド杯に日本チームとして最低1試合は出場する必要がある。

 今年4月のフェド杯前に女子代表監督を務める土橋登志久強化本部長(52)が直接出場を要請したものの、大坂は海外での試合を優先して辞退。ただ過密日程は続いていおり、来年に出場できるのか…と心配されていたが、この日の理事会後に土橋本部長は「出場する方向で調整してますし、十分に(状況を)把握していると認識しています」ときっぱり。さらに「リスクを負わないように調整します」と、最も早い2月のフェド杯に出場させて条件をクリアする意向を示した。

 これで大坂が日の丸を背負って東京五輪に出場する青写真は完成。日本初の金メダルをもたらす可能性もグッと高まってきた。