【全仏オープン】大坂なおみ 前コーチの前で進化を証明

2019年05月31日 16時30分

豪打を生かす小技がさえた大坂(ロイター)

【フランス・パリ30日発】テニスの全仏オープン女子シングルス2回戦で世界ランキング1位の大坂なおみ(21=日清食品)は、同34位のビクトリア・アザレンカ(29=ベラルーシ)に4―6、7―5、6―3で逆転勝利。2年連続の3回戦進出を決め、4大大会3連続優勝に向けて前進した。新コーチとともに重点強化してきたネットプレーの進化を証明した試合となったが、スタンドでは前コーチが見守っていたという。

 元世界1位で全豪オープンを2度制覇したアザレンカの正確なショットに苦しむ中、自らもミスを連発。第1セット開始から4ゲームを連取されるなど劣勢が続いた。それでも「体より心が問われる試合だった」(大坂)と、耐えて3回戦進出を引き寄せた。新旧世界1位対決を逆転で制し「2回戦で当たるのは運が悪いと思っていたけど、勝ててうれしい」と赤土のコートに笑顔が映えた。

 大会前、大坂の4大大会3連続優勝のポイントについて、DAZNテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)は「ドロップショットが効果的に決まるかどうか」と指摘していたが、ここまで2試合は上々だ。1回戦は100%の成功率、この日は終盤に失敗があったものの、新技として習得しつつある。これは新コーチのジャーメーン・ジェンキンス氏(34)効果と言える。

 今年1月の全豪オープンを制覇した直後、大坂はコーチのサーシャ・バイン氏(34)と契約を解除した。その理由はさらなる「技術力向上のため」。そして新コーチと二人三脚で取り組んできたのが、苦手だったネットプレーとドロップショットだった。もともと大坂の持ち味となる強打に小技が加われば“鬼に金棒”。剛腕投手がチェンジアップを会得したようなもので、プレーの幅が飛躍的に広がったことを今大会で証明している。

 その一方で、大坂の試合をバイン氏が“お忍び観戦”。現地にいる日本テニス協会の広報委員会・秋山英宏副委員長がツイッターで「観客席にサーシャ・バインコーチあらわる」とつぶやいたことで発覚した。バイン氏がコーチを務めるクリスティナ・ムラデノビッチ(26=フランス)は2回戦で敗退しているが、前パートナーのプレーが気になったのだろうか。

 大坂が観客席の前コーチ氏の存在に気付いたか否かは不明だが、いずれにせよ苦境に追い込まれながら逆転する強靱なメンタルとパワー、そこに新たな技術がプラスされて勝利につながった。決別した前コーチの前で新コーチ効果を見せつけた女王は、3つ目のビッグタイトル獲得に向け視界良好だ。