【フランス・パリ29日発】テニスの全仏オープン男子シングルス2回戦で、世界ランキング7位の錦織圭(29=日清食品)が同82位のジョーウィルフリード・ツォンガ(34=フランス)に4―6、6―4、6―4、6―4で勝利。2015年の全仏オープン準々決勝で敗れている元5位の相手に、同じ地でリベンジを果たした。

 第1セットは序盤から穏やかな流れで試合が進んだ。第7ゲームで錦織が先にブレークすると、すぐに第8ゲームでツォンガがブレークバックする一進一退の攻防。だが、4―5で迎えた第10ゲームにちょっとした異変が起きた。

 錦織はセカンドサーブの際、観客の物音に反応して嫌がるそぶりを見せる。気を取り直して打ったサーブはダブルフォルト。珍しく感情を表に出すなど精神面が乱れ、最後もダブルフォルトとなりラブゲームでブレークを許し、このセットを落としてしまう。1回戦に続いて相手が地元プレーヤーという不運な“アウェー状態”にやられた形だ。

 一度コートを離れ、気持ちを切り替えて迎えた第2セットは、幸先良くファーストゲームをブレーク。その後は互いにサービスゲームをキープし、6―4でセットカウントで追いついた。これで流れに乗った錦織は第3セットも先にブレークされたものの、すぐにブレークバック。ライン際を狙ったショット、ボレーなどが決まるようになり、このセットも6―4で奪った。

 第4セットはこれまでになく大味な展開となった。まずツォンガが3ゲーム連取すると、その後は錦織が第5、7ゲームのブレークを含む5ゲーム連取で反撃。そして5―4で迎えたサービングフォーザマッチの第10ゲームをキープし、3時間2分の激闘を制した。

 試合後、錦織は「タフな試合でした。決して簡単ではないことは分かっていた。4セット目、0―3から追いついたのが大きかった」と振り返った。

 3回戦の相手は初対戦となる世界32位のラスロ・ジェレ(23=セルビア)。「彼はいいテニスをする。クレーも強いので、頑張りたい」と次戦を見据えた。