【全仏オープン】大坂なおみが大逆転で初戦突破 鉄仮面なおみ出た!!

2019年05月29日 16時30分

大坂は大苦戦の1回戦を勝ち上がった(ロイター)

【フランス・パリ28日(日本時間29日)発】“鉄仮面”が土俵際で勝利をもたらした。テニスの全仏オープン女子シングルス1回戦、史上初の4大大会初制覇から3連続優勝を狙う第1シードで世界ランキング1位の大坂なおみ(21=日清食品)は同90位アンナ・シュミエドロバ(24=スロバキア)に0―6、7―6(7―4)、6―1で逆転勝利。何度も訪れた絶体絶命のピンチを切り抜けた要因はずばり表情だ。試合中に見せた女王の「顔」を徹底検証した。

 こんな試合を誰が想像しただろうか。4大大会3連続Vを狙う大坂は、序盤からラリーでミスを連発。目を覆うような試合ぶりで、第1セットはまさかの0―6。世界1位が90位に「ベーグル」でセットを落とすという、信じられない幕開けとなった。

 第2セットは動きを取り戻して3―0とリードしたが、ペースが傾いた中で降雨による中断。この“水入り”でまたも流れが変わり、4―5と絶体絶命のピンチを迎えた。ここを何とか切り抜けて第2セットをタイブレークの末に制すと、第3セットは6―1で奪って逆転で初戦を突破した。

 試合後、大坂は「とてもタフな試合で、精神的にも戦う気持ちを持つのが大変だった」と振り返ったが、崖っ縁で息を吹き返すことができたのは強靱な精神力があったからだ。それを端的に示していたのが、大坂のメンタルバロメーターでもある試合中の「表情」だという。

 DAZNテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)はこう指摘する。「喜怒哀楽を出しているときは、精神的にモロい。逆にどんな状況でも無表情のときはいい結果を招く」。この日はまさしく後者。幾度もピンチを迎えながら、まるで鉄の仮面をかぶったように無表情を貫いた。

 第1セットを落とした後もベンチで恐ろしいほど表情を消し、土俵際に追い込まれた第2セットでは観客席の“チーム大坂”に向かってお手上げポーズをするしぐさも見せたが、表情は崩さず。ラケットを叩きつける怒りも封印した。

 唯一、感情がこぼれそうになったのが、第2セットで5―6と追い込まれた場面だ。ベンチに座った大坂は約10秒間、タオルで顔を覆った。次のシーンで目は真っ赤に充血し、タオルの中で感情を爆発させ、涙を染み込ませたことは容易に想像できた。

 それでも、この時でさえ感情を表に出さなかった。これはくしくも1月の全豪オープン決勝と全く同じ。第2セットでセットカウントを追いつかれると、大坂はコートから姿を消し、戻ってきた際には無表情。「ロボットになった」と本人が言う第3セットは別人のような動きを見せ、4大大会2連続優勝を成し遂げた。今回もタオルから顔を離したとき、“サイボーグなおみ”と化したようだ。

 2回戦の相手は元世界1位の強敵、ビクトリア・アザレンカ(29=ベラルーシ)。タフな試合が予想されるが、鉄仮面を脱がない限り、女王が崩れることはなさそうだ。

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