【イタリア・ローマ16日(日本時間17日)発】テニスの日本男女のエースが過酷日程を克服した。女子のプレミア大会と男子のマスターズ大会を兼ねるイタリア国際は前日の試合が雨天順延となった関係で、女子シングルスで第1シードの世界ランキング1位、大坂なおみ(21=日清食品)と男子同6位の錦織圭(29=日清食品)が異例のダブルヘッダーに臨み、揃って連勝を飾った。

 大坂は午前に行われた2回戦で同33位のドミニカ・チブルコバ(30=スロバキア)に6―3、6―3のストレートで勝利。その約6時間後の3回戦では世界29位のミハエラ・ブザルネスク(31=ルーマニア)を相手に軽快なフットワークと強烈なサーブで圧倒し、6―3、6―3で下し、初の8強入りを果たした。「昨年は(2回戦敗退で)良くなかったので、本当に自信につながる。すごくいい感じ。全てが昨年よりもいい。さらなる進歩を期待している」と話した。

 世界ランク2位のシモナ・ハレプ(27=ルーマニア)がこの日の2回戦で敗れたため、大坂が世界1位をキープ(20日発表予定)することが決定。4大大会3連勝が懸かる26日開幕の全仏オープン(パリ)に日本人勢初の第1シードで臨むことになった。

 1月にアジア勢で初の世界1位に就き「2位とは大きな違いがある」と実感。重圧もあったが周囲の期待と注目度が上がったことで「全仏を第1シードでプレーしたい」との思いを持ったという。クレーの戦いは発展途上ながら全仏でも“なおみ旋風”を巻き起こせるか。

 一方、錦織圭は2回戦で同52位のテーラー・フリッツ(21=米国)に6―2、6―4で快勝。1時間12分という理想的な“省エネ戦法”で制し「長らく1日に2試合はやっていない。早く勝てて良かった。とてもいいスタート」。さらに3回戦では同51位のヤンレナルト・シュトルフ(29=ドイツ)に3―6、7―6、6―3で逆転勝ちし、2年連続8強入り。「戦いきったなという感じ。苦しい試合に勝ててすごく自信になった」と振り返った。

 準々決勝で大坂は世界4位のキキ・ベルテンス(27=オランダ)と、錦織は同24位のディエゴ・シュウォーツマン(26=アルゼンチン)とそれぞれ対戦する。