【ポルシェGP】準決勝棄権 大坂・新チームのクレバー戦略

2019年04月28日 16時30分

左腹筋痛で棄権した大坂(ロイター)

【ドイツ・シュツットガルト27日発】絶妙な“陣営ストップ”が入った。女子テニスの世界ランキング1位・大坂なおみ(21=日清食品)は今季のクレー(赤土)コート初戦となるポルシェ・グランプリのシングルス準決勝を左腹筋痛のため棄権した。

 初戦の2回戦で謝淑薇(33=台湾)、準々決勝でドナ・ベキッチ(22=クロアチア)を下し、準決勝でアネット・コンタベイト(23=エストニア)と対戦予定だったが、大坂は会見で「初戦から痛みがあった。けさ起きるとひどくなっていた」と棄権の理由を明かした。この撤退について、DAZNテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)は「賢明な判断でしょう」と語る。

「この先を考えると今は無理する時ではありません。彼女のピークは芝コートのウィンブルドン選手権(7月1日開幕、英ロンドン)であるべき。とはいっても選手ってどんな大会でも出たいもの。特に優勝が見えてきた状況ならなおさら。ズバリ、止めたのはチーム大坂陣営でしょう」

 くしくも今大会前、昨季までトレーナーを務めていた茂木奈津子氏(41)が陣営に復帰。大坂より20歳年上のお姉さん的存在で、昨年の全米オープン初制覇の時に担当していた有能な人材だ。関係者は「奈津子が戻って来てくれて本当にうれしい」と大喜びしたが、この新生チーム大坂が「無理するな」とストップをかけたのは明白だという。佐藤氏は「こういう時のためにチームは存在する。コーチングやサポートだけでなく“止め役”も大切な仕事なんです」と指摘した。

 大坂は今後について「今のところ予定を変えるつもりはない」と話し、マドリード・オープン(5月4日開幕)に出場する意向。そして4大大会3連勝を懸けて全仏オープン(同26日開幕、パリ)、続くウィンブルドンへつなげる。今回の棄権は陣営の先を見据えた長期戦略と言えそうだ。

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