【ポルシェGP】大坂なおみボレー超進化で8強 ナイキからナダル、ウッズ超え待遇

2019年04月26日 16時30分

ナイキに変更前、アディダスのウェアにも日清食品とANAのスポンサーロゴは入っていた(3月12日、ロイター=USA TODAY Sports)

【ドイツ・シュツットガルト25日発】新生ナオミが幸先いい再スタートを切った。女子テニスのポルシェ・グランプリのシングルス2回戦で、今季クレー(赤土)コート初戦となる世界ランキング1位で第1シードの大坂なおみ(21=日清食品)は同24位の謝淑薇(33=台湾)を6―4、6―3のストレートで下し、8強入りを決めた。特筆すべきはプレー面の進化だけではなく、あの巨大スポーツ用品メーカーをも動かしたことだ。専門家を驚かせたその内容とは――。

 勝利後の大坂が「トリッキーな相手で、彼女との対戦はいつも大変」と漏らしたように、相手の謝は3月のマイアミ・オープンで敗れた難敵。だが、生まれ変わった女王に以前のモロさはなく、デュースまで粘られても集中力を切らさず、3つのブレークを生かして勝ち切った。

 試合で目を引いたのがネットプレー。特にボレーについてはDAZNテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)も思わず「うまい!」とうなった。

「明らかにボレーが良くなっていた。ボールの勢いを吸収し、手前に落とす技術は今までになかった。特にクロスから来たボールをストレートに流すバックボレー。落ち着いて決めていたし、ラケットワークはもちろんタイミングが抜群でしたね」

 このネットプレーの上達は新コーチのジャーメーン・ジェンキンス氏(34=米国)に起因する。同コーチは大学時代の2004年にダブルスで全米制覇。一般的にダブルス巧者はネットプレーにたけているといわれ「恐らく大坂選手はかなり練習したでしょう」(佐藤氏)。また、足元が滑りやすいクレーコートで果敢に前に出ていたことにも着目し「今の大坂選手ならクレーの適性がある」と見ている。

 ただ、佐藤氏がプレー以上に驚いたのは、ウエアだ。大坂は今大会からシューズ、ウエアをスポーツ用品メーカー「アディダス」から「ナイキ」に変更した。佐藤氏によると「テニス業界でもナイキはチャンピオンの証し」。つまりこの契約は「女王の勲章」なのだという。

 ナイキのアスリートとの契約といえば、先日の男子ゴルフ「マスターズ」で復活Vを遂げたタイガー・ウッズ(43=米国)が有名だが、テニス界でも17年に全米オープンを制したスローン・スティーブンス(26=米国)は年明けにナイキと契約。また、ずっとアディダス派だったシモナ・ハレプ(27=ルーマニア)も世界1位になった途端にナイキに“鞍替え”した。「節操がない」とも言われそうだが「強者」と見込んだ者と契約を交わすのがナイキの流儀だ。

 ブランドに誇りを持つナイキは、ウエアに他の要素を入れないというのが基本方針。ウエアに入っているのは自社のロゴだけで、ナイキと契約している男子で4大大会17勝のラファエル・ナダル(32=スペイン)でさえも、スポンサーロゴはウエアに入っていない。

 だが、この日の大坂のウエアには日清食品とANA(全日空)のスポンサーロゴが入っていた。佐藤氏は「特例措置とみられる」と言うが、裏を返せばそれだけ大坂が一目置かれている証拠だ。競技こそ違えど、ウエアだけを見ればウッズ以上の待遇を受けていることになる。

 大坂は「(世界ランク1位になって)最初の数大会は重圧を感じたけど、今は楽しめている」と精神面でも安定感を示した。4大大会3連続Vが懸かる全仏オープン(5月26日開幕、パリ)へ向け、まずは順調な滑り出しだ。

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