大坂なおみへ報奨金“大放出”明言した協会の苦しい台所事情

2019年03月13日 16時30分

「BNPパリバ・オープン」では連覇を逃した大坂だが…(ロイター=USA TODAY Sports)

 強い新女王に対して、“うれしい悲鳴”が上がっている。日本テニス協会の理事会が12日に都内で開かれ、4大大会2連勝を果たした女子テニスの世界ランキング1位・大坂なおみ(21=日清食品)が今年度に獲得した合計1600万円の報奨金について報告がなされた。今後の活躍次第ではさらなる予算外の出費となるが、テニス協会は惜しげもなく大放出することを明言。とはいえ、決して台所事情は潤沢ではないようで…。

 今年度に最も飛躍したアスリートといえば、大坂で異論はなかろう。昨年9月の全米オープン、今年1月の全豪オープンと4大大会を2連勝。アジア人初となる世界ランキング1位に君臨するなど、1年前に誰が予想しただろうか。

 12日の理事会で、今年度予算に関して「大坂選手の全米、全豪オープン優勝など、予算外の費用も発生いたしました」との報告があり、4大大会のうち2大会を勝った大坂は、協会からそれぞれ800万円、計1600万円の報奨金を獲得。今、最も強い大坂なら年間グランドスラムも夢ではない。仮に現実になったら報奨金はどうなるのか。

 日本テニス協会常務理事の鈴木宏事務局長(64)は「4つ全部勝ったら、もちろん全部出しますよ」と宣言。規定では「4大大会で顕著な成績を収めた際に常務理事会で決定する」と金額は明記されていないが、鈴木氏によると「今後も優勝すれば五輪金メダル(800万円)と同等の額になると思います」。つまり4つ勝ったら合計3200万円。「太っ腹!」と言いたいところだが、マラソン日本新記録の報奨金、1億円と比較するとやや寂しい気もする。とはいえ、これには切実な台所事情があるようだ。

「マラソンはすごいですね。うちの協会はそんなにおカネがない。ギリギリでやってますから…。それに公益(財団法人)団体なので、使うかどうか分からないものに予算はつけられない。だから、報奨金が発生した場合は単純にマイナスになるんです」(鈴木事務局長)

 皮肉にも大坂が快挙を達成するたびに“財政”を圧迫しているのだ。それでも協会サイドは「出費がどれだけ増えても、活躍してもらうのはありがたい」と活躍を祈っている。この心意気を原動力に、安心して4大大会完全制覇、さらにはこの日で開幕まで500日に迫った東京五輪で金メダルの偉業を成し遂げてもらいたいものだ。

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