消えた鉄のメンタル…大坂なおみ 衝撃的「初戦敗退」

2019年02月21日 11時00分

初戦敗退の大坂(AP)

【UAE・ドバイ19日(日本時間20日)発】女子テニスのドバイ選手権、今大会初戦となる2回戦で第1シードの大坂なおみ(21=日清食品)は同67位のクリスティナ・ムラデノビッチ(25=フランス)に3―6、3―6で敗れた。全豪オープンを制覇し、世界ランキング1位となって初の試合でまさかの黒星を喫した。

 散々な門出だった。1月の全豪オープンを制覇し、世界1位として初めて臨む大会。精神的支柱だったコーチのサーシャ・バイン氏(34)と決別し、独り立ちした大坂にとって今後の試金石となる大事な一戦だった。

 序盤からムラデノビッチに押された。ダブルフォールトで始まった第1セットは立て続けに2ゲームダウン。巧みに狙ったドロップショットがネットに引っかかり、深い位置を狙ったボールがアウトになるなど流れに乗れず、自身のふがいないプレーにラケットを投げるシーンもあった。

 第1セットを3―6で落とすと、続く第2セットも序盤から苦しい展開が続き、何度もしゃがみ込んで手で顔を覆った。結局、第2セットも取られて万事休す。前日には「スポーツ界のアカデミー賞」とも言われるローレウス・スポーツ賞の「ブレークスルー賞」(年間最優秀成長選手賞)を受賞したが、サービスゲームを合計7度も破られ、まさかの大番狂わせを許してしまった。

 2017年以降、メンタル面を支えてきたバイン氏との決別が影響したのか、全豪オープンで見せた“鉄のハート”は消えていた。敗色濃厚になった第2セット終盤では、やや開き直った表情で両手を広げてお手上げポーズ。4大大会2連勝、世界のトップに君臨した女王とは到底思えない試合ぶりだった。この試合をDAZNテニス中継で解説した佐藤武文氏(47)は「テクニカルの問題ではなく、とにかく試合勘が戻っていなかった。それに尽きます」と敗因を分析した。

 今大会前に出場を予定していたカタール・オープンは背中の痛みのため欠場。全豪オープン決勝戦から3週間以上も間が空き、久々の試合の緊張感を味わった。試合中にヒザ裏をしきりに気にするなど、体も言うことを聞かなかった。

 大坂の次戦は3月6日開幕のBNPパリバ・オープン(米国・インディアンウェルズ)の予定。前年優勝した際に獲得した1000点が失効となるだけに、早期敗退となればポイントの上積みがなくなり、ランキングに大きく影響する。それだけに佐藤氏は「急きょメキシコ・オープン(25日~)にエントリーするなど、試合でしか培えない勘を取り戻すことが急務です」と警鐘を鳴らした。

 大坂は「注目されることは好きじゃない。(コーチとの離別などが話題になり)つらい時期を過ごしてきた。かなり悪いプレーだった。最近あまり練習ができていなくて、サーブが悲惨な出来。こんなにブレークされたことは人生でないと思う」と敗因を語り、試合後の会見では悔し涙を流した。今大会は日本テニス協会女子代表・吉川真司コーチ(41)を“代役”としていたが、急造は否めなかっただけに新コーチの選定が急がれるところだ。