今こそ稼ぎ時だ。男子テニスのABN・AMROワールド(オランダ・ロッテルダム)シングルス準決勝(16日=日本時間17日)で錦織圭(29=日清食品)は、4大大会3勝の実績を誇るスタン・バブリンカ(33=スイス)に2―6、6―4、4―6で競り負けた。

 試合後は「相手がうまかったとしか言いようがない。チャンスがあった分、悔しい」と唇をかんだが、18日発表の最新世界ランキングでは7位から6位に上昇。ついにトップ5返り咲き(最高ランク4位)が目前に迫った。

 今後の日程はドバイ選手権(25日~)、BNPパリバ・オープン(3月6日~)、マイアミ・オープン(同18日~)と続く。GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)はこのスケジュールもトップ5入りへプラスに働くという。
「去年はBNPパリバをスキップしてマイアミ・オープンは3回戦負け。ハードコートの締めとなる今後の3大会で、ポイントを稼ぐチャンスは十分ありますね」

 世界ランキングのポイントは丸1年で消滅。昨年のこの時期、錦織は右手首の故障から復帰したばかりとあって格下の大会に出場していた上に、成績も芳しくない。つまり、失効ポイントが少ない今だからこそ着実に加点すれば、さらなる世界ランクアップに近づくのだ。

 これに加えて「錦織選手は初めての地域で比較的いい成績が出ている」(佐藤氏)。初出場の次戦・ドバイ選手権への期待も高まる。錦織自身も「ストロークはすごく良くなっている。調子はいいのでこのままいきたい」と好感触を得ており、一気にポイント荒稼ぎへ打って出る。