【オランダ・ロッテルダム15日(日本時間16日)発】男子テニスのABM・AMROワールド準々決勝、第1シードで世界ランキング7位の錦織圭(29=日清食品)は同38位のマートン・フチョビッチ(27=ハンガリー)を6―3、6―2で下して4強入り。これでロジャー・フェデラー(37=スイス)を抜いて同6位に上がることが確定した。

 第2セットの第8ゲーム、40―15からのネット際のボレーをあっさり決めると、観客の声援にガッツポーズで応えた。試合時間は1時間17分。錦織の強さだけが際立った。

 いきなり錦織のサービスエースから始まった第1セット。相手サーブの第4ゲームをリターンの強打からラブゲームでブレークしながら、続く第5ゲームは逆にラブゲームで奪い返された。それでも第8ゲームでは0―40から盛り返し、最後は強烈なリターンエースでブレーク。続く第9ゲームをキープしてこのセットを奪った。

 第2セットは先にブレークを許したが、第3ゲームから3つのブレークを含む6ゲーム連取と圧倒。強烈なバックハンドのダウンザライン、代名詞の「エア・ケイ」も決めてオランダのファンを沸かせた。

 準決勝の相手はスタン・バブリンカ(33=スイス)。錦織が初めて4大大会の決勝に進んだ2014年全米オープン準々決勝での死闘をはじめ、過去に激戦を繰り広げたライバルだ。

 17年末に左ヒザを手術し、昨年は一時世界ランキングも263位にまで下降。同68位で迎えた今大会はノーシードながら復調気配を見せて勝ち上がってきた。錦織は過去、バブリンカに4勝5敗と負け越しているだけに「自分がいいテニスをしないと勝てない」と気を引き締めた。