テニスの全豪オープン女子シングルスで快進撃を続ける世界ランキング4位の大坂なおみ(21=日清食品)が思わぬ騒動に巻き込まれた。

 所属の日清食品のアニメ動画広告で描かれた大坂のモデルが「ホワイトウオッシング」(白人化)されているとして海外で批判を浴び、同社が謝罪と広告を削除する事態に発展した。

 モデルは漫画家の許斐剛氏(48)が描いたもので、同社は差別的な表現を否定している。

 英公共放送・BBC(電子版)は23日、「大坂なおみ:カップ麺の会社がホワイトウオッシングについて謝罪」とのタイトルでニュースを報道。

「すべてのトップニュースは、オーストラリア、メルボルンのテニスコートで勝利した大坂なおみについてでなければならなかっただろう。しかし、ハイチと日本人のスポーツスターはもう一度、アニメの論争によって転換された報道を目にすることになった」と残念がった。

「今回、アニメの描写でハーフの大坂をホワイトウオッシングしたことを批判されていたのは日本のカップ麺会社、日清食品だった。多くの人は、なぜこんなにも正確に2回目が起こったのか、疑問が残ったままだ。2018年9月、オーストラリアの漫画家が大坂をブロンドヘアで白い肌の女性として描いた時、批判が収まるまで2週間を要した。『なぜ、本当の彼女から肌の色をこんなにそらした何かに変えようとするの?』とあるツイッターユーザーは、漫画家の許斐剛がSNSで彼の描いた絵をシェアした後、問いかけた」と背景を紹介した。

「日本のテニスチームをスポンサーしているこの会社は不愉快にさせる意図はないと言い、騒動の拡大を謝罪した」と日清食品の主張を掲載した。

 一方、英ガーディアン紙(電子版)は同日、「大坂なおみのスポンサーが広告におけるホワイトウオッシングされたテニススターについて謝罪」との見出しを打った。

 大坂の実際の写真と、動画のモデルを比較し「大坂なおみのスポンサーの一つがハーフハイチ人の日本のテニススターについて、広告で薄い色の肌で描いた後、謝罪を迫られた」と執筆。

「日清食品は昨年9月の全米オープンでセリーナ・ウィリアムズに勝利し、女子シングルスのタイトルを手にした後、日本の国民的ヒーローになった大坂を『ホワイトウオッシュするつもりはなかった』と言った」と説明した。

 広報担当者の「ホワイトウオッシングの意図はない。我々は十分にデリケートではないこと、そして将来、多様な問題により注意を払っていくということを受け入れた」とのコメントを掲載。「日清食品はベテランの漫画家で『テニスの王子様』シリーズで知られる許斐剛によってデザインされたこの広告『ハングリートゥウィン』がどうなったか言わなかった。広報は許斐の象徴的なスタイルで描かれたと言った」と付け加えた。

 そして「広告は彼女の同僚である、錦織圭もまたフィーチャーしており、多くの視聴者が、母が日本人である、日清食品の『ホワイトウオッシングされた大坂』を非難し、ソーシャルメディアで批判を引き起こした」と解説した。