【オーストラリア・メルボルン21日発】テニスの全豪オープン男子シングルス4回戦で、世界ランキング9位の錦織圭(29=日清食品)は初対戦の同23位パブロ・カレノブスタ(27=スペイン)を5時間5分の死闘の末に6―7(8―10)、4―6、7―6(7―4)、6―4、7―6(10―8)の大逆転で下し、3年ぶりの準々決勝進出を果たした。

 錦織は1、2回戦を苦しみながら勝ち上がってきたが、3回戦(19日)でストレート勝ちし調子を上げてきた。第1セットは第3、5ゲームをブレークすると、カレノブスタも第4、6ゲームをブレークバックする展開。ブレークの奪い合いから、互いのサービスゲームをキープしてタイブレークに突入した。錦織はストローク戦でミスがあり、1時間16分かかったこのセットを奪われた。

 第2セットも第3ゲームで自身のサービスゲームを破られた。カレノブスタの安定したストロークに揺さぶられ、なかなかペースを握れない。第4ゲームではネットプレーでミスし、ラケットをコートに叩きつける場面も。要所で繰り出す相手のドロップショットにも対応できないまま、このセットも落とした。

 追い詰められた第3セットでもペースは上がらず、錦織の表情は険しくなる一方。第5ゲームでブレークを許すと、ここでようやく目覚めた。第6ゲームで鮮やかなリターンエースを決めると一気にブレークバック。この日2回目のタイブレークでは3―2の場面でネットプレーの応酬を制してリードを広げ、このセットを奪った。

 第4セットは第1ゲームをいきなりブレークしたが、第4ゲームでブレークを返された。それでも続く第5ゲームで相手のミスを誘いサーブを破った。自身のサービスゲームでは強烈なエースを次々に決めセットカウントでついに追いついた。

 勝負の第5セット、第3ゲームでブレークチャンスにバックハンドのリターンエース。見事なショットが決まって相手のサーブを破った。第6ゲームで相手にブレークチャンスを与えたが、しぶとくしのいでこのゲームをキープ。勝利目前の第10ゲーム、ミスが出てブレークバックを許し5―5と追いつかれた。

 勝負は10ポイント先取のタイブレークへ。2―3から相手にバックでダウンザラインを決められて大ピンチ。だが、5―8の劣勢で微妙な判定をものにしてポイントを奪うと、一気に挽回。最後は15本目のサービスエースを決めて、フルセットの大激闘を制した。

 土俵際まで追い込まれながらの大逆転Vは錦織の真骨頂。悲願の4大大会初制覇へ向けて、あと3勝だ。