【エルステバンクOP】錦織「ツアー決勝9連敗」生んだ誤算とは

2018年10月29日 16時30分

決勝で敗れた錦織(AP)

【オーストリア・ウィーン28日発】まさに鬼門だ。男子テニスのエルステバンク・オープン、シングルス決勝で世界ランキング11位の錦織圭(28=日清食品)が同8位のケビン・アンダーソン(32=南アフリカ)に3―6、6―7(3―7)のストレートで敗れ、2016年2月のメンフィス・オープン以来となるツアー12勝目を逃した。

 これでツアー決勝では悪夢の9連敗。準決勝までは絶好調で、GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)も「ネットプレーを使っている。それが好調の要因の一つ。経験値が上積みされ、雪だるま式に自信を深めている」とべた褒めする内容だった。それが一転、決勝ではネットプレーがほとんど見られず、アンダーソンの強烈サーブと強打に大苦戦。錦織は「紙一重だった」と言うものの、一度もブレークできなかった。

 誤算はあった。年間成績上位8人によるATPツアー・ファイナル(11月、英ロンドン)出場へ現在9番手の錦織は決勝で勝てば大きく前進。アンダーソンは出場が確定したが、勝負のポイントは「準決勝でアンダーソンはメディカルタイムアウトを取った手負いの状態。だから前半の錦織選手にかかっている。『これは絶対勝てないや』と思わせるプレーをすればファイナルへアンダーソンも無理したくないでしょうから」(佐藤氏)と見られていた。

 ところが前半に勝負をかけたのはアンダーソンのほうで、錦織は第1セット第4ゲームで必死に食らいつくアンダーソンに粘り負けてブレークを許し、ペースを奪われた。プレーは安定していたもの、“勝負どころ”を見誤ったとも言える。

 右手首の故障から完全復活へ足踏み状態。錦織は「今週は楽しい1週間だった」と前を向いたが、歯車がかみ合わない状況はいつまで続くのか。

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