【東レ・パンパシ】進化の証明だ!“くせ者”ストリコバ撃破で大坂4強

2018年09月22日 13時00分

ショットがラインを外れた大坂は思わず天を仰いだ

 20歳の進化が止まらない。女子テニスの東レ・パンパシフィック・オープン第5日(21日、東京・アリーナ立川立飛)、全米オープンを制し大フィーバーを巻きこしている世界ランキング7位の大坂なおみ(20=日清食品)はシングルス準々決勝で、同25位バルボラ・ストリコバ(32=チェコ)を6―3、6―4のストレートで下し、22日の準決勝に進んだ。ストリコバはテニス界きっての“くせ者”と知られている。難敵を撃破し、さらなるレベルアップを証明した格好だ。

 40―30で迎えた第1セット第1ゲーム、ネットに当たったストリコバのドロップショットが決まり、大坂は最初のサービスゲームをデュースに持ち込まれた。

 実はこのプレーこそが32歳のベテランの真骨頂。GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(47)は「ストリコバはドロップショットやスライスを使って、相手のペースを乱すのがうまいくせ者です。だからこそ、長くトップレベルでプレーできているし、大物食いを何度も演じてきたんです」と分析する。

 過去の対戦成績は1勝1敗。真正面からパワーで勝負する大坂にとっては決して相性のいい相手ではなく「私だけでなく、多くのテニス関係者が今大会のヤマ場だと思っていたはずです」(佐藤氏)。

 それでも、2度のデュースの末にこのゲームをキープすると、第4ゲームでは早々とストリコバのサーブをブレーク。4―2で迎えた第7ゲームは甘くなったセカンドサーブを狙い打たれ、ブレークバックを許したが、第8ゲームを再びブレークし、第1セットをものにした。

 佐藤氏は「相手に揺さぶられて、1本、2本のミスがあっても、大枠が崩れることはなかった。全米オープンから連勝を続けている自信があるので、メンタルが充実している。“こういうことをしてくる選手だよね”と冷静に受け止めていたと思います」と高く評価した。

 かねて課題だった精神面の安定だけではなく、プレーでも相手を押し込み「続けていやらしいプレーをさせなかった」。第2セットはブレークを許すことなく、ストレート勝ちを収め、周囲にも「大坂選手はまたワンランク上に行った」(佐藤氏)という印象を残した。

 全米オープンを制し、日本勢初の4大大会(グランドスラム)シングルス覇者となった直後の凱旋試合。いつも以上の注目に「プレッシャーを感じるか?」という問いかけに、大坂は日本語で「全然(ない)」ときっぱりと答えた。

 これも大坂がレベルアップした証しだ。長く女子テニスに関わってきた佐藤氏によれば「予想以上の取材対応などでグランドスラムを初めて勝った選手がリズムを崩すのはよくあるパターン」。今大会の大坂はそんな様子は全く見せず、安定したプレーを続けているから驚きだ。

 進化を続ける大坂の凱旋Vが見えてきた。その先にはもちろん、日本人初の「世界ランキング1位」も視界に入ってきている。

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