大坂なおみ4大大会初!日本女子決勝進出 父が明かす快進撃の立役者バインコーチの操縦法

2018年09月08日 16時30分

日本女子初のファイナル進出を決めた大坂(ロイター=USA TODAY Sports)

【ニューヨーク6日(日本時間7日)発】テニスの全米オープン(ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)第11日、女子シングルス準決勝で世界ランキング19位の大坂なおみ(20=日清食品)が同14位マディソン・キーズ(23=米国)を6―2、6―4で下し、日本女子初の決勝進出を果たした。ファイナル(8日=同9日)では4大大会通算23勝の女王セリーナ・ウィリアムズ(36=同)と対戦するが、快進撃を見せる裏にはイケメン指導者による巧みな“なおみ操縦術”があった。

 20歳の新星が日本テニス界に新たな歴史を刻んだ。強敵を倒してファイナル進出を決めた勝利者インタビューでは、途中から脱線し「ママ、やったよー。アイラブユー。セリーナにもアイラブユー」と話し始めるなど、持ち前の天真らんまんぶりは変わらなかった。

 世界が注目する試合で大坂は圧巻の勝負強さを発揮した。昨年の準優勝者を相手に13本のブレークポイントをすべて阻止し、勝ち切った。キーズも「大坂が素晴らしかった」と脱帽するしかなかった。日本女子では1973年全豪オープンで沢松和子、94年全豪など3大会で伊達公子が4強入りしたのが最高。男女を通じて日本人初のグランドスラム制覇まで「あと1勝」に迫った。

 快進撃の立役者は昨年12月から師事するドイツ人のサーシャ・バインコーチ(33)だ。大坂に強打よりも精度と教え、テニスの質が格段に向上した。この二人三脚が成功の理由をハイチ出身の米国人で大坂の父、レオナルド・フランソワさんは本紙にこう明かした。

「彼女に合わせて、上から教えてるんじゃなくて同じ目線。だからいい環境をつくり上げている。彼女はそういうのじゃないとダメ」。フランソワさんによれば、大坂が子供のころから「自分で勉強したくなかったら身につかない」と自主性を重視してきた。上から押さえつける指導は彼女の性格に合わずに「強く言うほど嫌がる」。バイン氏はフランソワさんの思いを汲んで徹底的な対話路線を敷き、大坂の能力を開花させたのだ。

 その手法は日本テニス界にとっても目からウロコ。協会の土橋登志久強化本部長(51)は「見事だなと思う。これからのコーチっていうのは、そうでなければいけない」と目を細めた。「何かあれば必ずコミュニケーションを取って一方的ではなく、なおみから言葉を引き出して、お互いに納得して次のステップにいくところがある。試合前はナーバスになるんですけど、それをうまく和らげながら、試合の準備をしている」

 また、デビスカップ日本代表の岩渕聡監督(42)はバイン氏の技術力に着目する。同氏はセリーナのヒッティングパートナーを8年務めたが、コーチ経験は少なくその実力は未知数だった。

 しかし、試合前の練習を見ると「ヒッティング能力は間違いない。ミスもしないし、選手の調子が上がるような技術を持っている。厳しすぎず、優しすぎず、強いボールを打ってコースもいいところを突いていて、そのあたりの加減がうまい」と大絶賛。女子に合わせ、スライスを使わず、ボールの回転量を絶妙に減らす打ち方はワールドクラスで大坂の急成長につながった。

 バイン氏は決勝に向けて「セリーナはコートでも非常に攻撃的。なおみはやや遠慮がちなところがある」と比較した上で「闘志が奮い立つように背中を押してあげることが必要だ」とポイントを指摘。大坂にとってはもちろん、日本テニス界の悲願達成はもう目前だ。

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